小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第76話 真昼の微熱(5/5)


 シャオレイは、フェイリンに寝台へと押し倒された。それから、フェイリンの熱を受け止めるように、背にそっと手を添えた。
 フェイリンのかすかな血と薬の匂いが、シャオレイを小さく責める。
(動いたら、肉が裂けちゃうのに――)
 だが、ふたりはもう止められなかった。

 昼の静けさの中、ふたりの影はひとつに重なり続けていた。

 フェイリンの瞳はずっと、シャオレイを捉えていた。

 再び、シャオレイに羞恥心が湧き上がってくる。
(これまで男の視線なんて気にも留めなかったのに、どうして……?
フェイリンに見られると、すべてをさらけ出すみたいで……心まで裸にされる気がする)
 シャオレイは、顔を手で隠した。
「見ちゃだめ……」

「なぜだ……?」

「あなたに見られるのは……恥ずかしいの」

 フェイリンは何も言わず、自分の指をシャオレイの手に絡めてどかした。

 そこには、真っ赤になったシャオレイの顔があった。

 フェイリンは、シャオレイを優しく抱きしめた。
 やがて、フェイリンはすがるようにシャオレイの名を呼ぶ。

 その声を、シャオレイは耳元で受け止めていた。
(ああ、こんなに強く求められるのは初めて――。
いえ、きっとフェイリンが最初で最後だわ……。
こんなに、私の素の心ごと求める男は……)

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