小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第78話 欲情の引き金
第78話 欲情の引き金(1/2)
また、夕暮れがやってきた。
シャオレイは、傷の治りを早める薬湯をフェイリンへ差し出した。
自制のため、フェイリンはシャオレイをなるべく見ないようにしていた。黙って受け取った薬湯を一気に飲み干すと、盆に碗を戻す。
そのとき、盆を下げるシャオレイの手元――見覚えのある袖が、フェイリンの目に入った。
思わずフェイリンが顔を上げると、シャオレイの身を包んでいたのは彼の衣《ころも》だった。
フェイリンは固まった。
シャオレイは、ぶかぶかの上衣《じょうい》の長すぎる袖をまくり上げ、髪を高く結っている。肌も体の線も見えないように、男装をすればいいと考えたのだ。
シャオレイは、くすりと笑いながら言った。
「貸してね?あなたを刺激したくないから……」
それから、シャオレイは盆を片付けようとした。
だが、縛られたままのフェイリンの手がシャオレイの手首をつかんだ。
「余計にたちが悪い。なんなんだ、そなたは……!?」
フェイリンの切実な物言いに、シャオレイが慌てる。
「ごめんなさい、嫌ならすぐ脱ぐ――」
「もう遅い」
何かに追い詰められたように、フェイリンの瞳が熱を帯びて揺れていた。
そのことにシャオレイは気づいた。
(以前私が男装してたときは、何ともなかったのに……。
フェイリンの服を着ただけで、そうなっちゃうの……?)
シャオレイは「なんで……!?」と戸惑いをあらわにした。
フェイリンは、シャオレイの服の輪郭を視線で追いながら言った。
「俺の服をそなたが着てるのが……」
「着てるのが……?」
「――分からん」
また、夕暮れがやってきた。
シャオレイは、傷の治りを早める薬湯をフェイリンへ差し出した。
自制のため、フェイリンはシャオレイをなるべく見ないようにしていた。黙って受け取った薬湯を一気に飲み干すと、盆に碗を戻す。
そのとき、盆を下げるシャオレイの手元――見覚えのある袖が、フェイリンの目に入った。
思わずフェイリンが顔を上げると、シャオレイの身を包んでいたのは彼の衣《ころも》だった。
フェイリンは固まった。
シャオレイは、ぶかぶかの上衣《じょうい》の長すぎる袖をまくり上げ、髪を高く結っている。肌も体の線も見えないように、男装をすればいいと考えたのだ。
シャオレイは、くすりと笑いながら言った。
「貸してね?あなたを刺激したくないから……」
それから、シャオレイは盆を片付けようとした。
だが、縛られたままのフェイリンの手がシャオレイの手首をつかんだ。
「余計にたちが悪い。なんなんだ、そなたは……!?」
フェイリンの切実な物言いに、シャオレイが慌てる。
「ごめんなさい、嫌ならすぐ脱ぐ――」
「もう遅い」
何かに追い詰められたように、フェイリンの瞳が熱を帯びて揺れていた。
そのことにシャオレイは気づいた。
(以前私が男装してたときは、何ともなかったのに……。
フェイリンの服を着ただけで、そうなっちゃうの……?)
シャオレイは「なんで……!?」と戸惑いをあらわにした。
フェイリンは、シャオレイの服の輪郭を視線で追いながら言った。
「俺の服をそなたが着てるのが……」
「着てるのが……?」
「――分からん」