小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第78話 欲情の引き金(2/2)


 自分でも分からない衝動に、フェイリンの胸が焦げついていた。
 フェイリンには、傷の痛みも疲労も、どうでもよかった。心の飢えはただひたすら、目の前の女――シャオレイを求めていた。
 その想いは声にならなかった。

 だがシャオレイは、まるでそれを聞いたかように、小さくうなずいた。
「――横向きになって」

 行灯《あんどん》のあかりが、室内をやわらかく照らしている。
 小さな窓の隙間から、風の音がかすかに忍び込んだ。

 ふたりのあいだには、重なった呼吸の名残だけがあった。

 フェイリンは、荒い息をついていた。

 フェイリンが整うのを待ってから、シャオレイは彼の額へそっと口づけをした。
「落ち着いた?」

 不意に、フェイリンがシャオレイの喉元を舐めた。

「あっ……」
 シャオレイの体が、小さく跳ねる。

 目を細めたフェイリンが、シャオレイには得意げに見えた。

 シャオレイは、フェイリンの髪をくしゃくしゃと撫でた。
「もう……」

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