小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第80話 特別な贈り物(3/3)
◆
翌朝、薄明かりの中で、シャオレイとフェイリンは密かに都を抜け出した。
それから馬車に揺られ、北方の街――ニンチュアンへと数日かけてたどり着いた。
ニンチュアンの大通りでは、色とりどりの露店が並び、活気に満ちていた。
シャオレイは、市場をフェイリンと腕を組みながら歩いていた。
シャオレイは額の小鳥をおしろいで隠し、フェイリンは髪を黒く染めて、目立たぬように装っていた。
ふと、シャオレイの視線が小さな布小物屋の屋台に止まる。
色とりどりの香り袋や巾着の中に、ひときわ目立つ巾着があった。
それは、華やかで繊細な刺繍が施されていた。鶴が飛び、梅がほころび、小さな布の上に春の景色が広がっている。
シャオレイは、そっと屋台の店主に声をかけた。
「この刺繍をされた方に、直接お願いできますか?」
店主が、側にいた女性職人に声をかける。職人はちょうど、商品を納品しに来ていたのだ。
シャオレイは職人に近寄り、懐から取り出した紙を広げて見せた。
たなびく雲に寄り添う梅と蕾の刺繍の図案――昨夜シャオレイが描いてたものだ。
「これで、香り袋を2つ……お願いしたいんです」
シャオレイは、声をひそめながら頼んだ。
職人は図案を覗き込み、少し離れた場所に立つフェイリンへ視線をやった。シャオレイの意図を察して、小声でほほ笑んだ。
「――特別な贈り物ですね、お嬢さん」
シャオレイは、はにかんで小さくうなずいた。
柔らかい声で職人は請け負った。
「10日ほどで仕上げます」
シャオレイは前払いの銀貨を職人に、銅貨数枚を仲介料として店主に渡した。
そしてフェイリンと共に、シャオレイは新たな住まいへ向かった。
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翌朝、薄明かりの中で、シャオレイとフェイリンは密かに都を抜け出した。
それから馬車に揺られ、北方の街――ニンチュアンへと数日かけてたどり着いた。
ニンチュアンの大通りでは、色とりどりの露店が並び、活気に満ちていた。
シャオレイは、市場をフェイリンと腕を組みながら歩いていた。
シャオレイは額の小鳥をおしろいで隠し、フェイリンは髪を黒く染めて、目立たぬように装っていた。
ふと、シャオレイの視線が小さな布小物屋の屋台に止まる。
色とりどりの香り袋や巾着の中に、ひときわ目立つ巾着があった。
それは、華やかで繊細な刺繍が施されていた。鶴が飛び、梅がほころび、小さな布の上に春の景色が広がっている。
シャオレイは、そっと屋台の店主に声をかけた。
「この刺繍をされた方に、直接お願いできますか?」
店主が、側にいた女性職人に声をかける。職人はちょうど、商品を納品しに来ていたのだ。
シャオレイは職人に近寄り、懐から取り出した紙を広げて見せた。
たなびく雲に寄り添う梅と蕾の刺繍の図案――昨夜シャオレイが描いてたものだ。
「これで、香り袋を2つ……お願いしたいんです」
シャオレイは、声をひそめながら頼んだ。
職人は図案を覗き込み、少し離れた場所に立つフェイリンへ視線をやった。シャオレイの意図を察して、小声でほほ笑んだ。
「――特別な贈り物ですね、お嬢さん」
シャオレイは、はにかんで小さくうなずいた。
柔らかい声で職人は請け負った。
「10日ほどで仕上げます」
シャオレイは前払いの銀貨を職人に、銅貨数枚を仲介料として店主に渡した。
そしてフェイリンと共に、シャオレイは新たな住まいへ向かった。