小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第81話 未来への約束(3/5)
フェイリンは、終始黙ってシャオレイを見つめていた。
シャオレイは、はにかみながら香り袋をフェイリンへ差し出した。それは黒い生地に、落ち着いた色の刺繍がしてある。
フェイリンのてのひらに乗る小さな贈り物に、シャオレイのすべてが詰まっている――彼にはそんな気がした。
シャオレイは固まったままのフェイリンの手を取り、その上にそっと置く。
フェイリンはただ、それを見つめるだけだった。
シャオレイは、嬉しそうに説明を始めた。
「これが雲――あなたの姓の雲《ユン》ね。
これが梅の蕾。
シャオレイの蕾《レイ》よ。
ほら、私とおそろい」
シャオレイは、自分の香り袋も見せた。それは、明るい生地にフェイリンの香り袋と同じ図案が刺繍されている。
シャオレイは、フェイリンの手から香り袋を取り上げ、フェイリンの腰帯に結び付けた。
フェイリンは、何も言えなかった。この気持ちを表す言葉を、知らなかったからだ。
シャオレイは、ふと心に引っかかって言った。
「ねえ、フェイリン。
これ……私の手練手管じゃないわよ?」
ちょっと冗談めかしたが、瞳だけは真剣だった。
フェイリンはやっと、シャオレイに視線を動かした。包帯の巻かれた指で、シャオレイの頬をそっと撫でる。
それから、ひとこと――
「知ってる」
フェイリンの低く、短い言葉。それだけで、シャオレイの胸の奥に温かいものが広がった。
(フェイリンは、私の真心を受け取ってくれる……)
不意に、フェイリンは腰帯に付けていた佩玉《はいぎょく》を外し、シャオレイに手渡した。
「これ……!」
シャオレイは驚き、声をあげた。
フェイリンの誇りが刻まれている――それが佩玉だからだ。
「いいの……?」
フェイリンはシャオレイを抱きしめた。
「そなたが持っていろ」
シャオレイに、じんわりと喜びが湧いた。だが、佩玉の重みを手に感じると、シャオレイの胸の奥にわずかな痛みも走った。
(――フェイリンが佩玉を渡したのは、"自分は死んでもいい"という覚悟だったとしたら……)
シャオレイは、佩玉をぎゅっと抱きしめた。
フェイリンは、終始黙ってシャオレイを見つめていた。
シャオレイは、はにかみながら香り袋をフェイリンへ差し出した。それは黒い生地に、落ち着いた色の刺繍がしてある。
フェイリンのてのひらに乗る小さな贈り物に、シャオレイのすべてが詰まっている――彼にはそんな気がした。
シャオレイは固まったままのフェイリンの手を取り、その上にそっと置く。
フェイリンはただ、それを見つめるだけだった。
シャオレイは、嬉しそうに説明を始めた。
「これが雲――あなたの姓の雲《ユン》ね。
これが梅の蕾。
シャオレイの蕾《レイ》よ。
ほら、私とおそろい」
シャオレイは、自分の香り袋も見せた。それは、明るい生地にフェイリンの香り袋と同じ図案が刺繍されている。
シャオレイは、フェイリンの手から香り袋を取り上げ、フェイリンの腰帯に結び付けた。
フェイリンは、何も言えなかった。この気持ちを表す言葉を、知らなかったからだ。
シャオレイは、ふと心に引っかかって言った。
「ねえ、フェイリン。
これ……私の手練手管じゃないわよ?」
ちょっと冗談めかしたが、瞳だけは真剣だった。
フェイリンはやっと、シャオレイに視線を動かした。包帯の巻かれた指で、シャオレイの頬をそっと撫でる。
それから、ひとこと――
「知ってる」
フェイリンの低く、短い言葉。それだけで、シャオレイの胸の奥に温かいものが広がった。
(フェイリンは、私の真心を受け取ってくれる……)
不意に、フェイリンは腰帯に付けていた佩玉《はいぎょく》を外し、シャオレイに手渡した。
「これ……!」
シャオレイは驚き、声をあげた。
フェイリンの誇りが刻まれている――それが佩玉だからだ。
「いいの……?」
フェイリンはシャオレイを抱きしめた。
「そなたが持っていろ」
シャオレイに、じんわりと喜びが湧いた。だが、佩玉の重みを手に感じると、シャオレイの胸の奥にわずかな痛みも走った。
(――フェイリンが佩玉を渡したのは、"自分は死んでもいい"という覚悟だったとしたら……)
シャオレイは、佩玉をぎゅっと抱きしめた。