小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第81話 未来への約束(4/5)
◆
貸し家は、月明かりに照らされていた。
ほんのりと差し込む明かりのもと、シャオレイとフェイリンは寝台にいた。
シャオレイがささやいた。
「私決めたわ……香と薬の商売をする」
「薬……?」
「あなたが調合するのよ……私は接客と香の担当。
昼間に行った、香屋《こうや》みたいなのをやりたいわ。
私とあなたの小さなお店……」
フェイリンは、わずかに口元をゆるめて応じた。
「……構わんが」
「どこでやろうかしら……。
にぎやかな場所がいいけど、寒いところは苦手だし……」
「それなら――母上の故郷のビーシェンがいい。
温暖で人の行き来も多い。
俺も子供の頃に何度か行ったことがある」
「フェイリンがそう言うなら、きっと素敵な場所ね……」
シャオレイは、フェイリンの胸に頬を寄せた。
シャオレイの背中を、フェイリンが撫でている。
フェイリンの胸にある無数の傷痕を、シャオレイは間近に見ていた。それは、シャオレイのために受けた鞭打ちの傷だ。
シャオレイの胸が締めつけられる。
(この人は、私を愛してくれるけど……いつも死の匂いをまとっている)
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貸し家は、月明かりに照らされていた。
ほんのりと差し込む明かりのもと、シャオレイとフェイリンは寝台にいた。
シャオレイがささやいた。
「私決めたわ……香と薬の商売をする」
「薬……?」
「あなたが調合するのよ……私は接客と香の担当。
昼間に行った、香屋《こうや》みたいなのをやりたいわ。
私とあなたの小さなお店……」
フェイリンは、わずかに口元をゆるめて応じた。
「……構わんが」
「どこでやろうかしら……。
にぎやかな場所がいいけど、寒いところは苦手だし……」
「それなら――母上の故郷のビーシェンがいい。
温暖で人の行き来も多い。
俺も子供の頃に何度か行ったことがある」
「フェイリンがそう言うなら、きっと素敵な場所ね……」
シャオレイは、フェイリンの胸に頬を寄せた。
シャオレイの背中を、フェイリンが撫でている。
フェイリンの胸にある無数の傷痕を、シャオレイは間近に見ていた。それは、シャオレイのために受けた鞭打ちの傷だ。
シャオレイの胸が締めつけられる。
(この人は、私を愛してくれるけど……いつも死の匂いをまとっている)