小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第81話 未来への約束(4/5)




 貸し家は、月明かりに照らされていた。

 ほんのりと差し込む明かりのもと、シャオレイとフェイリンは寝台にいた。

 シャオレイがささやいた。
「私決めたわ……香と薬の商売をする」

「薬……?」

「あなたが調合するのよ……私は接客と香の担当。
昼間に行った、香屋《こうや》みたいなのをやりたいわ。
私とあなたの小さなお店……」

 フェイリンは、わずかに口元をゆるめて応じた。
「……構わんが」

「どこでやろうかしら……。
にぎやかな場所がいいけど、寒いところは苦手だし……」

「それなら――母上の故郷のビーシェンがいい。
温暖で人の行き来も多い。
俺も子供の頃に何度か行ったことがある」

「フェイリンがそう言うなら、きっと素敵な場所ね……」

 シャオレイは、フェイリンの胸に頬を寄せた。

 シャオレイの背中を、フェイリンが撫でている。

 フェイリンの胸にある無数の傷痕を、シャオレイは間近に見ていた。それは、シャオレイのために受けた鞭打ちの傷だ。
 シャオレイの胸が締めつけられる。
(この人は、私を愛してくれるけど……いつも死の匂いをまとっている)

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