小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第81話 未来への約束(5/5)


 シャオレイは、フェイリンの胸をさすりながら、切なげにささやいた。
「私――あなたがいなくなったら、もう生きていけない……。
だから、私をひとりにしないで……。
死なないで……」

 その瞬間、フェイリンは衝撃を受けた。喜びとも、苦しみともつかない想いが、彼の体中を満たしていった。
 フェイリンは、自分の命をシャオレイに捧げるつもりだった。彼女が生き延びてくれるなら、それで良かった。

 だが、シャオレイの想いは違った。
 未来を歩み続けるシャオレイの隣に、フェイリンがいてほしいのだ。

 フェイリンはシャオレイの重みを感じながら、目を伏せた。シャオレイの髪に顔をうずめ、その香りを吸い込んだ。
(そなたに死ぬなと言われたからには……俺は、生きなければならないのだろう――)
 フェイリンは、かすかに震える唇でシャオレイの頬にそっと口づけた。
「……そなたを、二度とひとりにはしない」
 低く、かすれた声で、そう誓った。

 シャオレイは、そっとフェイリンの背中に手を伸ばし、傷跡を撫でた。フェイリンが確かにここにいる――そう、感じるように。

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