小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第82話 引き裂かれた夫婦(5/6)
◆
ニンチュアンの南東にある都市――ジンアンの船着き場に、5隻のゼフォンの巡幸船団が停泊していた。
ゼフォンを中心に、使用人や兵、官僚、数人の皇子と妃。そして皇后――メイレンと、その嫡子である13歳の第7皇子が随行《ずいこう※》していた。[※地位の高い人に付き従っていくこと]
”幼い皇子を宮中に残すのは気がかりだ”とメイレンが主張したので、第7皇子も随行したのだった。
立太子がささやかれている第2皇子は、監国《かんこく※》を任された。 [※皇帝が巡幸の際に、太子が都に留まり政治を代行すること]
◆
ゼフォンとメイレンは、ジンアン西の山河で起きた氾濫の慰問をしていた。
ふたりが輿から降りると、ジンアンの県令《けんれい※》が走り寄ってきた。 [※県の長官]
県令は深々と頭を下げ、膝をつく。
「皇帝陛下、皇后殿下……ようこそお越しくださいました。
恐れながら、今回の氾濫は、前代未聞の規模にございます。
3つの村が川にのまれ、家屋は300戸以上損壊しました……」
応急の堤防が築かれ、兵たちがぬかるみに足を取られながら、土嚢《どのう》を積んでいた。
土砂崩れで道がふさがれた箇所では、斧やつるはしでの復旧作業が続いていた。
ジンアンの藩鎮《はんちん》だけではなく、各地の藩鎮からも大量に兵が派遣され、野営地は騒然としていた。
兵たちが民へ、食事や衣《ころも》を配っている。負傷した民たちは、臨時の医療所で傷の手当を受けていた。
ゼフォンは現場に立ち、民と膝をつきあわせて言葉を交わした。衣《ころも》の裾が泥で汚れても、構わなかった。
一方メイレンは、優雅なほほ笑みを絶やさず、被災した子どもたちへ食料を手渡していた。
その姿は、皇帝と皇后の理想像そのままだった。
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ニンチュアンの南東にある都市――ジンアンの船着き場に、5隻のゼフォンの巡幸船団が停泊していた。
ゼフォンを中心に、使用人や兵、官僚、数人の皇子と妃。そして皇后――メイレンと、その嫡子である13歳の第7皇子が随行《ずいこう※》していた。[※地位の高い人に付き従っていくこと]
”幼い皇子を宮中に残すのは気がかりだ”とメイレンが主張したので、第7皇子も随行したのだった。
立太子がささやかれている第2皇子は、監国《かんこく※》を任された。 [※皇帝が巡幸の際に、太子が都に留まり政治を代行すること]
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ゼフォンとメイレンは、ジンアン西の山河で起きた氾濫の慰問をしていた。
ふたりが輿から降りると、ジンアンの県令《けんれい※》が走り寄ってきた。 [※県の長官]
県令は深々と頭を下げ、膝をつく。
「皇帝陛下、皇后殿下……ようこそお越しくださいました。
恐れながら、今回の氾濫は、前代未聞の規模にございます。
3つの村が川にのまれ、家屋は300戸以上損壊しました……」
応急の堤防が築かれ、兵たちがぬかるみに足を取られながら、土嚢《どのう》を積んでいた。
土砂崩れで道がふさがれた箇所では、斧やつるはしでの復旧作業が続いていた。
ジンアンの藩鎮《はんちん》だけではなく、各地の藩鎮からも大量に兵が派遣され、野営地は騒然としていた。
兵たちが民へ、食事や衣《ころも》を配っている。負傷した民たちは、臨時の医療所で傷の手当を受けていた。
ゼフォンは現場に立ち、民と膝をつきあわせて言葉を交わした。衣《ころも》の裾が泥で汚れても、構わなかった。
一方メイレンは、優雅なほほ笑みを絶やさず、被災した子どもたちへ食料を手渡していた。
その姿は、皇帝と皇后の理想像そのままだった。