小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第84話 思い出に抱かれて(5/6)
侍女たちが退出したあと、シャオレイは床に這いつくばって、周りを見回した。
すると、寝台の下に小さな白い物――佩玉のかけらを見つけた。
それを手に取って見つめているうちに、シャオレイに涙がこみあげてくる。
シャオレイは、しばらく静かに泣いた。
水音と船がきしむ音が、やけにシャオレイの耳についた。
シャオレイは涙を流しつくすと、手巾でぬぐった。それで佩玉のかけらを包み、そっと胸元へと仕舞う。
それから息をつき、窓を開けた。
大河の風が、優しく無神経に、シャオレイの頬を撫でた。
(――あの頃は、旅行気分でずっと浮かれてたわ……)
シャオレイが思い出していたのは、2年前の巡幸と、前世の巡幸だった。
そのときのシャオレイは、ただの寵姫として随行していた。甲板の上で共に大河を眺めたゼフォンの笑顔が、シャオレイに浮かぶ。
もはやそれは、今のシャオレイの心をちくりと刺すだけの、思い出のひとつにしか過ぎなかった。
窓の外の回廊にいる衛兵と目が合い、シャオレイは引っ込んだ。
(フェイリンは今、どうしてるのかしら。
――もしかしたら、巡幸への潜入を早めるかも……。
いずれにしても、私が彼の足手まといにならないようにしないと……)
侍女たちが退出したあと、シャオレイは床に這いつくばって、周りを見回した。
すると、寝台の下に小さな白い物――佩玉のかけらを見つけた。
それを手に取って見つめているうちに、シャオレイに涙がこみあげてくる。
シャオレイは、しばらく静かに泣いた。
水音と船がきしむ音が、やけにシャオレイの耳についた。
シャオレイは涙を流しつくすと、手巾でぬぐった。それで佩玉のかけらを包み、そっと胸元へと仕舞う。
それから息をつき、窓を開けた。
大河の風が、優しく無神経に、シャオレイの頬を撫でた。
(――あの頃は、旅行気分でずっと浮かれてたわ……)
シャオレイが思い出していたのは、2年前の巡幸と、前世の巡幸だった。
そのときのシャオレイは、ただの寵姫として随行していた。甲板の上で共に大河を眺めたゼフォンの笑顔が、シャオレイに浮かぶ。
もはやそれは、今のシャオレイの心をちくりと刺すだけの、思い出のひとつにしか過ぎなかった。
窓の外の回廊にいる衛兵と目が合い、シャオレイは引っ込んだ。
(フェイリンは今、どうしてるのかしら。
――もしかしたら、巡幸への潜入を早めるかも……。
いずれにしても、私が彼の足手まといにならないようにしないと……)