小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―

第85話 焼け落ちる想い

第85話 焼け落ちる想い(1/3)




 シャオレイが、ゼフォンの”鳥籠”に戻されてから、数日が経った。

 御座所《ござしょ》内の執務室では、ゼフォンがシャオレイの手荷物を調べていた。

 巾着袋、手巾、香り袋、財布、かんざし、首飾り――それらが、机の上の盆に並べられている。

 ゼフォンがまず手に取ったのは、かんざしだった。
 それは、見た目には何の変哲もなかった。だが、先端に小さな穴が開いていることに、ゼフォンは気づいた。
 玉飾りの下の輪をひねると、わずかに手ごたえを感じた。
 ゼフォンは、左羽林軍大将軍《さうりんぐんだいしょうぐん》のウェンを呼び出して、命じた。
「これを秘密裏に調べよ」

 かんざしを受け取ったウェン大将軍は、下がった。

 その直後、チャオ内侍が書状の束を抱えてやってきた。
「陛下。
濃霧のため、船はただいま停泊しております」

「そうか」
 ゼフォンは、書状を決裁していった。

 そのあいだに、妃たちから差し入れの汁物や菓子が届いた。

 あっという間に小一時間ほど経ち、ウェン大将軍がゼフォンの元へ戻ってきた。
 ウェン大将軍は、かんざしを手に、説明を始める。
「どうやら、暗器にございます。
輪をひねってから突き刺すと、毒針が出る仕掛けです。
毒性は強くなく、数十分ほど体がしびれる程度かと」

 ゼフォンは、わずかに眉を上げてから言った。
「ご苦労だった。
――この件は内密にせよ」

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