小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第85話 焼け落ちる想い(2/3)


 ウェン大将軍を下がらせ、ゼフォンは再び、かんざしをじっと見つめた。
(これはラン氏の策略か?
“手土産”という餌に、刃を仕込んでよこした……。
――くだらん)
 だが、ゼフォンの心には、別の考えも浮かんでいた。
(ユン・フェイリンが、護身用に持たせたのか?
いずれにせよ、ルリが毒かんざしを振りかざすとは……。
いや、あやつは冷宮を抜け出して、逃亡した女だったな。
今さら驚かぬ)

 ゼフォンは苦々しさを処理して、再びシャオレイの手荷物に目を落とす。

 それは、宮中の品とはほど遠い、簡素で粗末な品々だった。
 唯一の装飾品である首飾りは、組紐に淡い青の陶器の玉がいくつか連なり、ところどころに小さなガラスの玉が差し込まれている。
 それは、都の茶屋の隠し部屋で過ごしていたシャオレイが、少しでも華やかにしようと作った物だった。

 そんなことをまったく知らないゼフォンは、鼻で笑った。
(ユン・フェイリンは、この程度の物しか女に与えられぬのか……)

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