小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第86話 檻の中のさえずり
第86話 檻の中のさえずり(1/6)
◆
大河には、濃い霧が立ちこめていた。
濃霧で停船中の御座船《ござぶね》では、外の回廊で弓兵《きゅうへい》たちが警戒を続けている。
沈んだ太陽の名残が、霧を橙色に染めている。帆先も、対岸の風景も、霧の奥にぼやけていた。
その幻想的な光景を、御座所《ござしょ》の寝所の細く開けた窓から、シャオレイは椅子に座って見つめていた。
ふいに、シャオレイの額の小鳥が、金の光を放った。
「何……!?」
シャオレイは思わず額を押さえる。だが、手の隙間からなおも光は漏れた。慌てて窓を閉め、床にしゃがみこんでやり過ごす。
しばらくして、光はようやく消えた。
(誰かに見られてたら、おしまいだわ……!
私を破滅させるつもり……?)
シャオレイはよろよろと椅子に座り直し、息を整えた。
窓の外から、小さく水音が届いていた。
それ以外に、鳥の声も風の声も――何ひとつしなかった。
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大河には、濃い霧が立ちこめていた。
濃霧で停船中の御座船《ござぶね》では、外の回廊で弓兵《きゅうへい》たちが警戒を続けている。
沈んだ太陽の名残が、霧を橙色に染めている。帆先も、対岸の風景も、霧の奥にぼやけていた。
その幻想的な光景を、御座所《ござしょ》の寝所の細く開けた窓から、シャオレイは椅子に座って見つめていた。
ふいに、シャオレイの額の小鳥が、金の光を放った。
「何……!?」
シャオレイは思わず額を押さえる。だが、手の隙間からなおも光は漏れた。慌てて窓を閉め、床にしゃがみこんでやり過ごす。
しばらくして、光はようやく消えた。
(誰かに見られてたら、おしまいだわ……!
私を破滅させるつもり……?)
シャオレイはよろよろと椅子に座り直し、息を整えた。
窓の外から、小さく水音が届いていた。
それ以外に、鳥の声も風の声も――何ひとつしなかった。