小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第86話 檻の中のさえずり(2/6)
しばらくして、ゼフォンが寝所へ入ってきた。
シャオレイはすぐに立ち上がり、笑みを作りながらゼフォンへ頭を下げた。
「ご機嫌麗しゅう、陛下」
ゼフォンは椅子に腰かけ、無言のまま手招きをする。
シャオレイは戸惑いながらも、歩み寄った。
(陛下は機嫌が悪いわね……)
ゼフォンはシャオレイの腰に手を回し、そのまま彼女を膝に乗せた。
緊張したままのシャオレイへ、ゼフォンは彼女の巾着袋を差し出した。
「ありがとうございます……」
中を確認したシャオレイは、香り袋とかんざしが無くなっていることに気づいた。
悲しみが、シャオレイの胸を締め付けた。佩玉に続いて、フェイリンとの絆をまたひとつ、失ってしまったのだ。
だが、シャオレイは平然と振る舞った。
ゼフォンがシャオレイの様子を、つぶさに監視しているからだ。
シャオレイは、そっと巾着袋を台の上に置いた。
(大丈夫。
結んだ髪は、フェイリンも持っててくれてるもの……。
――でも、かんざしも没収されたってことは、秘密に気づいたのね。
陛下の警戒心が強くなるわ)
そのときシャオレイは、ハッと気づいた。
(思い出したわ、この感覚。
――私はいつも、陛下の顔色をうかがってた。
いえ……青楼にいた頃からそうだったわ。
男の顔色をうかがい、彼らが心地よく過ごせるようにふるまう。
それが、私の役目だった……。
フェイリンと暮らしていた頃はそんなことしなかったから、すっかり忘れてた……)
しばらくして、ゼフォンが寝所へ入ってきた。
シャオレイはすぐに立ち上がり、笑みを作りながらゼフォンへ頭を下げた。
「ご機嫌麗しゅう、陛下」
ゼフォンは椅子に腰かけ、無言のまま手招きをする。
シャオレイは戸惑いながらも、歩み寄った。
(陛下は機嫌が悪いわね……)
ゼフォンはシャオレイの腰に手を回し、そのまま彼女を膝に乗せた。
緊張したままのシャオレイへ、ゼフォンは彼女の巾着袋を差し出した。
「ありがとうございます……」
中を確認したシャオレイは、香り袋とかんざしが無くなっていることに気づいた。
悲しみが、シャオレイの胸を締め付けた。佩玉に続いて、フェイリンとの絆をまたひとつ、失ってしまったのだ。
だが、シャオレイは平然と振る舞った。
ゼフォンがシャオレイの様子を、つぶさに監視しているからだ。
シャオレイは、そっと巾着袋を台の上に置いた。
(大丈夫。
結んだ髪は、フェイリンも持っててくれてるもの……。
――でも、かんざしも没収されたってことは、秘密に気づいたのね。
陛下の警戒心が強くなるわ)
そのときシャオレイは、ハッと気づいた。
(思い出したわ、この感覚。
――私はいつも、陛下の顔色をうかがってた。
いえ……青楼にいた頃からそうだったわ。
男の顔色をうかがい、彼らが心地よく過ごせるようにふるまう。
それが、私の役目だった……。
フェイリンと暮らしていた頃はそんなことしなかったから、すっかり忘れてた……)