小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第86話 檻の中のさえずり(4/6)
歌い切ったシャオレイへ、ゼフォンは口づけた。かすかに震える彼女の唇が、ゼフォンを煽る。
「まだ歌えるであろう?」
そう言ったゼフォンの瞳には、静かな怒りの向こうに――渇望が混じっていた。
それは、氷に閉じ込められた火だった。
ひたすらに冷たく、焼けつくように熱い。
ゼフォンの求めているものを、シャオレイは感じ取っていた。
(今は、陛下の心を落ち着かせたほうがいい。
フェイリンへ、火の粉が飛びかねないもの。
――私は、青楼の女だった。
もう一度、あの頃の私に戻るだけ……。
心は誰にも渡さない)
「陛下――お願いがございます。
私から、お仕えさせてくださいませ……」
シャオレイの言葉には、懇願でも媚びでもなく――確かな意思だけが宿っていた。
それをゼフォンは信じた。――いや、信じたかった。
ゼフォンがうなずくと、シャオレイは巻物を卓の上に乗せた。
それから、ゼフォンとともに寝台へ向かい、彼女自ら帳《とばり》を下ろした。
かつて、シャオレイが妃に冊封された夜――ゼフォンは“奉仕”されることに、耐えられなかった。男としても、皇帝としても、自ら女へ与えるべきだと信じていた。
だが、今は違う。
ゼフォンは、失った女を再び手に入れるためなら――与えられる側でも、構わなかった。
むしろ、シャオレイ自らしてくれることが、今のゼフォンにとっては、何よりの慰めだった。
だが、ゼフォンが奉仕されればされるほど、シャオレイにとっては“青楼の客”同然になっていく。
ゼフォンは、それに気づかなかった。
歌い切ったシャオレイへ、ゼフォンは口づけた。かすかに震える彼女の唇が、ゼフォンを煽る。
「まだ歌えるであろう?」
そう言ったゼフォンの瞳には、静かな怒りの向こうに――渇望が混じっていた。
それは、氷に閉じ込められた火だった。
ひたすらに冷たく、焼けつくように熱い。
ゼフォンの求めているものを、シャオレイは感じ取っていた。
(今は、陛下の心を落ち着かせたほうがいい。
フェイリンへ、火の粉が飛びかねないもの。
――私は、青楼の女だった。
もう一度、あの頃の私に戻るだけ……。
心は誰にも渡さない)
「陛下――お願いがございます。
私から、お仕えさせてくださいませ……」
シャオレイの言葉には、懇願でも媚びでもなく――確かな意思だけが宿っていた。
それをゼフォンは信じた。――いや、信じたかった。
ゼフォンがうなずくと、シャオレイは巻物を卓の上に乗せた。
それから、ゼフォンとともに寝台へ向かい、彼女自ら帳《とばり》を下ろした。
かつて、シャオレイが妃に冊封された夜――ゼフォンは“奉仕”されることに、耐えられなかった。男としても、皇帝としても、自ら女へ与えるべきだと信じていた。
だが、今は違う。
ゼフォンは、失った女を再び手に入れるためなら――与えられる側でも、構わなかった。
むしろ、シャオレイ自らしてくれることが、今のゼフォンにとっては、何よりの慰めだった。
だが、ゼフォンが奉仕されればされるほど、シャオレイにとっては“青楼の客”同然になっていく。
ゼフォンは、それに気づかなかった。