小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第87話 後悔の渦
第87話 後悔の渦(1/5)
◆
時は、少しさかのぼる。
フェイリンはシャオレイの安否を気にしながら、ティンピン港で巡幸船団の到着を待っていた。
だが、到着予定時刻を大幅に過ぎても、その影は見えない。
フェイリンに、嫌な予感がこみ上げてくる。
(まさか、何かあったのか……?)
その頃、濃霧の影響で巡幸船団が足止めされていた。だが、そのことをフェイリンは知る由もなかった。
居ても立ってもいられなくなったフェイリンは、地方兵の集団からそっと抜けた。それから馬にまたがり、大河沿いを南へ駆け出した。
◆
小一時間ほど、フェイリンが馬で駆けると、白い霧が視界を包んでいった。その向こうから、ふいに――金の光が彼の目に届いた。
(松明《たいまつ》か……?
――いや)
フェイリンは、それがシャオレイの額の小鳥の光だと気づいた。
それを、忘れるわけがなかった。初めてフェイリンがシャオレイと出会った夜――刺客として逃亡中だった彼は、小鳥の光に威嚇されたのだ。
小鳥の光はすぐに消えた。
(シャオレイ……俺を呼んでいるのか?)
フェイリンは馬から下り、林の中を慎重に進んだ。
やがて河岸に、松明に照らされた宿営地が現れた。そこに、巡幸船団を陸上から警護する、禁軍の騎兵と歩兵が待機している。
見張りを交代していた歩兵の一人が、木陰に入っていった。
その歩兵を、フェイリンは尾行した。歩兵が小用を足し終えたのを見計らって、背後に忍び寄り、手刀で一撃した。
すると、歩兵は、静かに地面へ崩れ落ちた。
フェイリンはその衣《ころも》と装備を奪って身に着け、静かに禁軍へ紛れ込んだ。
霧の中、誰もフェイリンの顔など確かめはしない。周りの目を盗んで大河に身を沈めたフェイリンは、警備船の死角を縫って進んだ。
◆
時は、少しさかのぼる。
フェイリンはシャオレイの安否を気にしながら、ティンピン港で巡幸船団の到着を待っていた。
だが、到着予定時刻を大幅に過ぎても、その影は見えない。
フェイリンに、嫌な予感がこみ上げてくる。
(まさか、何かあったのか……?)
その頃、濃霧の影響で巡幸船団が足止めされていた。だが、そのことをフェイリンは知る由もなかった。
居ても立ってもいられなくなったフェイリンは、地方兵の集団からそっと抜けた。それから馬にまたがり、大河沿いを南へ駆け出した。
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小一時間ほど、フェイリンが馬で駆けると、白い霧が視界を包んでいった。その向こうから、ふいに――金の光が彼の目に届いた。
(松明《たいまつ》か……?
――いや)
フェイリンは、それがシャオレイの額の小鳥の光だと気づいた。
それを、忘れるわけがなかった。初めてフェイリンがシャオレイと出会った夜――刺客として逃亡中だった彼は、小鳥の光に威嚇されたのだ。
小鳥の光はすぐに消えた。
(シャオレイ……俺を呼んでいるのか?)
フェイリンは馬から下り、林の中を慎重に進んだ。
やがて河岸に、松明に照らされた宿営地が現れた。そこに、巡幸船団を陸上から警護する、禁軍の騎兵と歩兵が待機している。
見張りを交代していた歩兵の一人が、木陰に入っていった。
その歩兵を、フェイリンは尾行した。歩兵が小用を足し終えたのを見計らって、背後に忍び寄り、手刀で一撃した。
すると、歩兵は、静かに地面へ崩れ落ちた。
フェイリンはその衣《ころも》と装備を奪って身に着け、静かに禁軍へ紛れ込んだ。
霧の中、誰もフェイリンの顔など確かめはしない。周りの目を盗んで大河に身を沈めたフェイリンは、警備船の死角を縫って進んだ。