小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第88話 フェイリンの策(4/4)
ゼフォンにとって、ラン家の謀反は想定内だった。巡幸に合わせてラン家が何かを仕掛けてくる――その程度の読みは、ゼフォンはしていた。
だが、あらかじめ各地から藩鎮を招集することはしなかった。大軍を動かせば、官僚や民を不安にさせるからだ。
ラン家ごときには、禁軍の精鋭3千で制圧できる。――そう、ゼフォンは見積もっていたのだ。
だが、ゼフォンの計算を狂わせたのは、フェイリンの介入だった。
皇帝が人質となれば、左羽林軍や禁軍は手を出せない。その隙に、ラン家の皇后の私兵が、御座船に乗り込んできた。
(こやつが余計なことをしなければ、もう片がついていたのに……!)
だが、瞬時にゼフォンは、フェイリンの狙いに気づいた。
(……すべては、ラン家を確実に潰すためか。
予を縛り、時間を稼ぎ、禁軍を手足のごとく封じた。
――気に入らぬ)
ゼフォンは、外の騒ぎがぴたりと止んでいることに気づいた。
フェイリンがつぶやいた。
「禁軍が、ラン家の私兵を制圧したのでしょう」
「……今までの無礼は不問にしてやる。
だから予を解放しろ」
だが、フェイリンは首を振った。
「――シン統領の軍を待ちましょう」
フェイリンは、決意していた。
(本当は、俺自身の手でラン一族を討ちたい。
だが……この状況でシャオレイと離れるわけにはいかない。
いや――もう二度と、離れない)
ゼフォンにとって、ラン家の謀反は想定内だった。巡幸に合わせてラン家が何かを仕掛けてくる――その程度の読みは、ゼフォンはしていた。
だが、あらかじめ各地から藩鎮を招集することはしなかった。大軍を動かせば、官僚や民を不安にさせるからだ。
ラン家ごときには、禁軍の精鋭3千で制圧できる。――そう、ゼフォンは見積もっていたのだ。
だが、ゼフォンの計算を狂わせたのは、フェイリンの介入だった。
皇帝が人質となれば、左羽林軍や禁軍は手を出せない。その隙に、ラン家の皇后の私兵が、御座船に乗り込んできた。
(こやつが余計なことをしなければ、もう片がついていたのに……!)
だが、瞬時にゼフォンは、フェイリンの狙いに気づいた。
(……すべては、ラン家を確実に潰すためか。
予を縛り、時間を稼ぎ、禁軍を手足のごとく封じた。
――気に入らぬ)
ゼフォンは、外の騒ぎがぴたりと止んでいることに気づいた。
フェイリンがつぶやいた。
「禁軍が、ラン家の私兵を制圧したのでしょう」
「……今までの無礼は不問にしてやる。
だから予を解放しろ」
だが、フェイリンは首を振った。
「――シン統領の軍を待ちましょう」
フェイリンは、決意していた。
(本当は、俺自身の手でラン一族を討ちたい。
だが……この状況でシャオレイと離れるわけにはいかない。
いや――もう二度と、離れない)