小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第89話 密室の三角関係(4/6)
フェイリンは、シャオレイの瞳の圧に負け、喉の奥にあった殺意を無理やり飲み込んだ。それから、ゆっくりと刀から手を離した。
シャオレイはそれを見届けてから、給仕を再開した。干し肉をほぐし、一口味わってからゼフォンに差し出す。
その間も、シャオレイは背後にいるフェイリンの視線を感じていた。
(さっきので、ゼフォンへ未練があるとフェイリンに思われたかも……)
食事を終えて、ゼフォンが口を開いた。
「ルリ……予の拘束を解け」
「陛下……おゆるしを」
目を伏せるシャオレイへ、ゼフォンの声に棘が混じる。
「そなたは予が与えた衣《ころも》を着て、予が与えた宝飾品を身に着けている。
――なのになぜ、その自覚がない?」
その言葉は、刃のようにシャオレイの胸を突いた。
シャオレイは頭を下げて、身をすぼめたまま、部屋の奥へそそくさと逃げた。
フェイリンは、ゼフォンへの殺意がよみがえらないように、必死で抑えていた。無言で棚から布を取り、床に敷いてゼフォンのための寝床を作り始めた。
それをゼフォンは、横目で眺めている。
シャオレイは、隠れるように棚の向こうにいた。ほのかなろうそくのあかりに照らされたその顔は、暗く沈んでいた。
華やかな刺繍やきらびやかな宝飾品たちが、責めていた。――皇帝の女としての、つとめを果たさないシャオレイを。
シャオレイに、みじめな気持ちがこみあげてくる。
(陛下のおっしゃることは正しいわ……。
――でも私にはもう、そんな気持ちはないの)
フェイリンは、シャオレイの瞳の圧に負け、喉の奥にあった殺意を無理やり飲み込んだ。それから、ゆっくりと刀から手を離した。
シャオレイはそれを見届けてから、給仕を再開した。干し肉をほぐし、一口味わってからゼフォンに差し出す。
その間も、シャオレイは背後にいるフェイリンの視線を感じていた。
(さっきので、ゼフォンへ未練があるとフェイリンに思われたかも……)
食事を終えて、ゼフォンが口を開いた。
「ルリ……予の拘束を解け」
「陛下……おゆるしを」
目を伏せるシャオレイへ、ゼフォンの声に棘が混じる。
「そなたは予が与えた衣《ころも》を着て、予が与えた宝飾品を身に着けている。
――なのになぜ、その自覚がない?」
その言葉は、刃のようにシャオレイの胸を突いた。
シャオレイは頭を下げて、身をすぼめたまま、部屋の奥へそそくさと逃げた。
フェイリンは、ゼフォンへの殺意がよみがえらないように、必死で抑えていた。無言で棚から布を取り、床に敷いてゼフォンのための寝床を作り始めた。
それをゼフォンは、横目で眺めている。
シャオレイは、隠れるように棚の向こうにいた。ほのかなろうそくのあかりに照らされたその顔は、暗く沈んでいた。
華やかな刺繍やきらびやかな宝飾品たちが、責めていた。――皇帝の女としての、つとめを果たさないシャオレイを。
シャオレイに、みじめな気持ちがこみあげてくる。
(陛下のおっしゃることは正しいわ……。
――でも私にはもう、そんな気持ちはないの)