小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第90話 再来する悲しみ(3/6)
喉が詰まり、シャオレイは息がうまくできない。体が震え、視界がぼやける。
やっとつかんだはずの“愛”が、再びするりとこぼれていく――そんな恐怖に襲われた。
フェイリンの誤解をとかなければ――その想いだけが、シャオレイの胸の中で繰り返し叫んでいた。喉まで言葉がせり上がっているのに、焦るほど声にならなかった。
そのときだった。
こぼれた涙に、シャオレイ自身が驚いた。泣こうとしたわけでもない。ただ、勝手にあふれたのだ。
それでもシャオレイは、気力を振り絞って首を振る。
必死に、強く。
それが、シャオレイに今できる、唯一の“否定”だった。
シャオレイの翡翠色の瞳は、真実を語っていた。
その瞬間、フェイリンの頭は激しく叩かれた。
(俺は馬鹿だ)
かつてゼフォンに踏みにじられたシャオレイが、また同じ痛みにおびえている。――そんな残酷な仕打ちを、自分がしてしまったのだと、フェイリンは今さら気づいた。
泣き濡れるシャオレイを、フェイリンは抱きしめた。
「……すまなかった」
フェイリンの重く震える声が、シャオレイの涙を止めた。
「俺が疑っていいはずがないのに……。
俺だけは、信じると決めていたのに……俺の弱さだ。
――すまない」
残っていた悲しみをすべて出しきるように、最後の涙を流し――シャオレイはうなずいた。
貯蔵庫の暗がりで寄り添うふたりを、ゼフォンは冷たい目で見つめていた。
(予を愚弄していられるのも、今のうちだ――)
喉が詰まり、シャオレイは息がうまくできない。体が震え、視界がぼやける。
やっとつかんだはずの“愛”が、再びするりとこぼれていく――そんな恐怖に襲われた。
フェイリンの誤解をとかなければ――その想いだけが、シャオレイの胸の中で繰り返し叫んでいた。喉まで言葉がせり上がっているのに、焦るほど声にならなかった。
そのときだった。
こぼれた涙に、シャオレイ自身が驚いた。泣こうとしたわけでもない。ただ、勝手にあふれたのだ。
それでもシャオレイは、気力を振り絞って首を振る。
必死に、強く。
それが、シャオレイに今できる、唯一の“否定”だった。
シャオレイの翡翠色の瞳は、真実を語っていた。
その瞬間、フェイリンの頭は激しく叩かれた。
(俺は馬鹿だ)
かつてゼフォンに踏みにじられたシャオレイが、また同じ痛みにおびえている。――そんな残酷な仕打ちを、自分がしてしまったのだと、フェイリンは今さら気づいた。
泣き濡れるシャオレイを、フェイリンは抱きしめた。
「……すまなかった」
フェイリンの重く震える声が、シャオレイの涙を止めた。
「俺が疑っていいはずがないのに……。
俺だけは、信じると決めていたのに……俺の弱さだ。
――すまない」
残っていた悲しみをすべて出しきるように、最後の涙を流し――シャオレイはうなずいた。
貯蔵庫の暗がりで寄り添うふたりを、ゼフォンは冷たい目で見つめていた。
(予を愚弄していられるのも、今のうちだ――)