小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第91話 偽りの即位(3/9)
◆
朝焼けの中、ラン・リーハイ率いる反乱軍5千が、巡幸船団に襲いかかった。
雄叫びと金属音が響き、船の揺れが大きくなる。
シャオレイは、不安そうにフェイリンの胸の中にいた。
フェイリンはしっかりとシャオレイを抱き、耳を澄ませた。
フェイリンの手が、わずかに強くなる。ユン家の仇が来ていると、フェイリンには確信できた。
(――だが、俺は行かない)
フェイリンは、自らの手で仇討ちをすることよりも、シャオレイを守ることを選んだのだ。
「大丈夫だ。
禁軍の精鋭が負けるはずがない。
じきに、シン統領の藩鎮《はんちん》も来る」
声をひそめ、フェイリンはさらに続ける。
「そのときのどさくさに紛れて脱出する。
――それまで待つ」
シャオレイはうなずくが、もどかしかった。
(前世では今頃、ティンピンで滞在してたわ。
ただ陛下の戻りを待ちながら、のんびりと琴を奏でて歌ってた……。
私にできることは、何ひとつない。
前世とはずれてしまっているから、“予言”も出来ない。
――私って、本当に無力なのね……)
シャオレイはまた、ゼフォンの様子をそっと伺った。
ゼフォンは相変わらず、寝床の上に座ったままうつむいていた。
シャオレイは、ゼフォンからぶつけられた言葉を思い出した。
『予は幼子《おさなご》ではない!
女子《おなご》に守られたいとは思わぬ!』
それが、今もなお、シャオレイの中に沈んでいる。
忘れたくても、忘れられない言葉。
(陛下がお怒りになったのも、当然だわ……。
こんなちっぽけな私に、何ができるっていうのよ……)
そのとき、遠くから太鼓の音と雄叫びが近づいてきた。
シャオレイの鼓動が高鳴った。
(まさか――)
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朝焼けの中、ラン・リーハイ率いる反乱軍5千が、巡幸船団に襲いかかった。
雄叫びと金属音が響き、船の揺れが大きくなる。
シャオレイは、不安そうにフェイリンの胸の中にいた。
フェイリンはしっかりとシャオレイを抱き、耳を澄ませた。
フェイリンの手が、わずかに強くなる。ユン家の仇が来ていると、フェイリンには確信できた。
(――だが、俺は行かない)
フェイリンは、自らの手で仇討ちをすることよりも、シャオレイを守ることを選んだのだ。
「大丈夫だ。
禁軍の精鋭が負けるはずがない。
じきに、シン統領の藩鎮《はんちん》も来る」
声をひそめ、フェイリンはさらに続ける。
「そのときのどさくさに紛れて脱出する。
――それまで待つ」
シャオレイはうなずくが、もどかしかった。
(前世では今頃、ティンピンで滞在してたわ。
ただ陛下の戻りを待ちながら、のんびりと琴を奏でて歌ってた……。
私にできることは、何ひとつない。
前世とはずれてしまっているから、“予言”も出来ない。
――私って、本当に無力なのね……)
シャオレイはまた、ゼフォンの様子をそっと伺った。
ゼフォンは相変わらず、寝床の上に座ったままうつむいていた。
シャオレイは、ゼフォンからぶつけられた言葉を思い出した。
『予は幼子《おさなご》ではない!
女子《おなご》に守られたいとは思わぬ!』
それが、今もなお、シャオレイの中に沈んでいる。
忘れたくても、忘れられない言葉。
(陛下がお怒りになったのも、当然だわ……。
こんなちっぽけな私に、何ができるっていうのよ……)
そのとき、遠くから太鼓の音と雄叫びが近づいてきた。
シャオレイの鼓動が高鳴った。
(まさか――)