小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第91話 偽りの即位(5/9)




 ゼフォンにも、藩鎮の到着が伝わっていた。
 ゼフォンが貯蔵庫の中から、羽林軍に向かって命じる。
「羽林軍に告ぐ!
予はここにある。
シン統領に伝えよ――“皇帝の命《めい》にて、戦え!”」
 その声は、まるで天地を断つ刃のようだった。

 扉の向こうから、ウェン大将軍の声が返ってきた。
「拝命いたしました!」
 続いて、ウェン大将軍は部下たちへ指示を出す。
「陛下、お声にてご健在!
伝令を出せ、藩鎮へ陛下の命《めい》を告げよ!」

 その声を聞き、フェイリンは立ち上がり、ゼフォンのもとへ近づく。

 シャオレイも、続いた。

 ゼフォンは、堂々とした態度を崩さずフェイリンへ視線を向けた。
 もはや、対話は不要だった。

“ユン・フェイリン――予の手で殺す”
“ルリ姫――予の女だ”

 ゼフォンは、すでにそう“決裁”していた。

 それは、フェイリンにもシャオレイにも伝わっていた。
(フェイリンが殺されてしまう……)

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