小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第91話 偽りの即位(6/9)
フェイリンはゼフォンに猿ぐつわをして、扉の外の羽林軍に向かって言った。
「踏み込んで来たら、皇帝を殺す!」
それからフェイリンは、木箱を棚へ隣接させて、天井への逃走路を作った。すばやく棚の最上段に上がり、下にいるシャオレイへ手を伸ばす。
「来い」
シャオレイが木箱に上ったとたん、壁から鈍い音がして、焦げた臭いが立ちこめる。あっという間に、炎が上がった。
フェイリンが「火矢だ」と、淡々と言った。
シャオレイは無意識に、ゼフォンを振り返った。
ゼフォンの目は、まっすぐシャオレイを射抜いていた。
それは、助命を乞うものではない。シャオレイがどうするか、見極めようとしていたのだ。
シャオレイは、自分が回帰転生してきた意味を、突きつけられていると感じた。
一瞬ためらった時間は、永遠のようだった。
シャオレイは木箱から下りて――ゼフォンに駆け寄った。ゼフォンを見捨てるべきか否かの問いは、無意味だった。
フェイリンがわずかに動いたが、止めなかった
(あいつはそういう女だ……)
シャオレイが短刀を抜くと、一瞬、ゼフォンの眉が上がった。
それから、シャオレイの手で、ゼフォンの猿ぐつわが切られた。
シャオレイは、ゼフォンを見つめながら後ずさり、「陛下、ご無事で」と言った。
ゼフォンは、何も言わなかった。ただ、黙ってシャオレイを見ていた。
シャオレイはゼフォンから背を向けて、すぐにフェイリンの元へ戻り、天井裏に姿を消した。
ゼフォンはしばらく、その暗がりを見つめていた。
(逃げたか。
……だが、よい。
鳥籠の外を飛ぶことくらいは、許してやろう。
――予が連れ帰るまで)
それから、扉の外に向かって言った。
「羽林軍に告ぐ……予はここにある!突入せよ!」
フェイリンはゼフォンに猿ぐつわをして、扉の外の羽林軍に向かって言った。
「踏み込んで来たら、皇帝を殺す!」
それからフェイリンは、木箱を棚へ隣接させて、天井への逃走路を作った。すばやく棚の最上段に上がり、下にいるシャオレイへ手を伸ばす。
「来い」
シャオレイが木箱に上ったとたん、壁から鈍い音がして、焦げた臭いが立ちこめる。あっという間に、炎が上がった。
フェイリンが「火矢だ」と、淡々と言った。
シャオレイは無意識に、ゼフォンを振り返った。
ゼフォンの目は、まっすぐシャオレイを射抜いていた。
それは、助命を乞うものではない。シャオレイがどうするか、見極めようとしていたのだ。
シャオレイは、自分が回帰転生してきた意味を、突きつけられていると感じた。
一瞬ためらった時間は、永遠のようだった。
シャオレイは木箱から下りて――ゼフォンに駆け寄った。ゼフォンを見捨てるべきか否かの問いは、無意味だった。
フェイリンがわずかに動いたが、止めなかった
(あいつはそういう女だ……)
シャオレイが短刀を抜くと、一瞬、ゼフォンの眉が上がった。
それから、シャオレイの手で、ゼフォンの猿ぐつわが切られた。
シャオレイは、ゼフォンを見つめながら後ずさり、「陛下、ご無事で」と言った。
ゼフォンは、何も言わなかった。ただ、黙ってシャオレイを見ていた。
シャオレイはゼフォンから背を向けて、すぐにフェイリンの元へ戻り、天井裏に姿を消した。
ゼフォンはしばらく、その暗がりを見つめていた。
(逃げたか。
……だが、よい。
鳥籠の外を飛ぶことくらいは、許してやろう。
――予が連れ帰るまで)
それから、扉の外に向かって言った。
「羽林軍に告ぐ……予はここにある!突入せよ!」