小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第92話 仇討ちの結末(6/7)


 内侍に扮したメイレンは、逆手で短剣を握っている。その柄が、拳からわずかに覗いていた。
 メイレン自ら、ゼフォンを暗殺しに来たのだ。
 メイレンの瞳には、ほんのわずかに殺気が宿っていた。

 だが、ゼフォンも羽林軍も、メイレンへ気づいていない。

 そのとき、シャオレイの頭をよぎったのは――フェイリンの助言。

『狙うなら、あの女が獲物に集中している瞬間だ』

 シャオレイは、反射的に帯紐に差した短刀を抜き、メイレンの脇腹へ刃をめりこませた。

「フェイリン!」
 シャオレイの叫び声で、フェイリンも周りの者も、一斉に振り向いた。
 フェイリンの視線がメイレンをとらえた瞬間、彼の左手から飛刀《ひとう》が放たれた。
 それがメイレンの首を正確に貫くと、紅いしぶきが彼女から噴き出した。

 シャオレイの周囲は、静けさに包まれていた。
 メイレンもゼフォンも兵たちも、その光景に固まっていた。誰ひとり、理解が追いつかなかった。

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