小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第93話 前世の涙(8/8)


 唐突なシャオレイの言葉に、ゼフォンは眉をひそめた。
「……なんだと?」

「陛下への愛は、枯れてしまいました。
もう、戻ることはございません」

「ならば、なぜ予を救った?
それほど冷めておったのに……!」
 ゼフォンの怒りの奥に、シャオレイを理解できない哀しみがあった。

「それは――夫が、私の悲しみを癒してくれたからでございます……」

 シャオレイの言葉に、ゼフォンの顔が一気にゆがんだ。
 “夫”が誰を指しているのか、言わずとも明らかだったからだ。

「冷宮で凍りついていた私を、夫は命がけで助けにきてくれました。
それゆえに……以前の私が抱いていた”陛下をお救いする”という想いが、よみがえったのです」
 シャオレイは、“過去の自分がゼフォンを救った”とは言わなかった。そう言ったところで、信じてもらえないと、すでに学んでいたからだ。

 シャオレイの言葉に、ゼフォンは絶句した。
(予を救ったのは、別の男の優しさの余波だったというのか……?)

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