小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―

第94話 二度めの別れ

第94話 二度めの別れ(1/8)


 衝撃の事実に、ゼフォンはシャオレイを恨めしそうに見つめた。
「予を、憎んでいるのか……?」

「いいえ。
宮廷の掟を破り、あなたを傷つけた妃には当然の罰です」

「予は……ほとぼりが冷めた頃に、そなたへ恩赦を与えるつもりだった」

 ゼフォンの言葉に、シャオレイの指先がわずかに震えた。

 淡々と、ゼフォンは自分に言い聞かせていた。
「そうすれば、何事もなかったように戻せた。
だが、そなたは待たなかった。
勝手に逃げ、騒ぎを起こし、予の裁きを無意味にした」

 冷宮でシャオレイがどんな境遇にあったのかは、ゼフォンには想像がついていた。その気になれば、シャオレイへ手心を加えることも出来たが、しなかった。
 自分を裏切った女を、ゼフォンはどうしてもゆるすことができなかったのだ。
 だから、目をそらし続けていた。

「そなたは、予の女だ。
罰も、ゆるしも、すべて予が決める。
二度と、勝手な真似をしてはならぬ」

 シャオレイは、深く頭を下げた。
「……ご教示、痛み入ります」

 ゼフォンは短く息をつき、怒りを抑えた。
(ルリは予の気を引こうと、別れをほのめかしただけだ)
「理解しているのであれば、それでよい。
――今後は改めよ」

 ゼフォンが踵を返そうとしたそのとき――
「待って!」
 シャオレイが叫んだ。
 振り向いたゼフォンは、シャオレイをまとう異様な気配に気づいた。

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