小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第13話 羽の休まる場所(4/6)


 それから、シャオレイは軽くため息をついた。
「ただの幼稚な嫌がらせだから、どうでもいいわ。
よく考えたら騒ぐことじゃなかったし」
(私ったらフェイリンに何を期待していたのかしら……バカね)

 シャオレイは琴を指差した。
「弾いてちょうだい」

 フェイリンが琴を弾き始めると、シャオレイは舞いながら歌い出した。

 だが、フェイリンはすぐに琴を止め、シャオレイの元に歩み寄った。

「どうしたの?」

「まだそなたの様子がおかしい」

「――おかしくないわよ、別に」

「嘘だな」
 フェイリンはシャオレイの目を覗き込んで、動きを読んでいた。

「尋問はやめてちょうだい」

 フェイリンは無言で、ただじっとシャオレイを見つめ続けている。
 シャオレイは、観念したように息をついた。

「……毒を盛られたのが、ちょっとね」

「幼稚な嫌がらせに参るのか?妖女なのに」

「そうよ」
 意外そうに言うフェイリンに、シャオレイはつい冷たく返してしまった。

 フェイリンは、一瞬だけ考え込んでいた。
(言葉での慰めは通じるか?
だが、何と言う……?)
 最適解を探そうとしたフェイリンの思考が、そこで途切れる。

 抱きしめたい――その衝動が、フェイリンへ不意に湧いた。

 フェイリンはシャオレイにそっと手を伸ばすが、わずかにためらいが生まれた。
(これはあの時のような情欲ではなく、ただの慰め。
それなら、許されるはずだ)
 理性が何度も葛藤を繰り返した末、フェイリンはシャオレイを静かに抱きしめた。

 フェイリンの意外な行動に軽く驚くシャオレイへ、ぽつりと言った。
「いずれ俺が消してやるから、安心しろ」

 その瞬間、シャオレイの胸の奥の緊張がふっとほどけた。フェイリンに髪を撫でられていると、肩から力が抜けてほぐれていく。

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