神様はもういない
どんな気持ちで彼は私に「幸せなって」と言ったんだろう。
本当は「一緒に幸せになろう」って言いたかったはずなんだ。
それでも湊は自分の気持ちを押し殺して、私を前に進ませようとしてくれている。
その気持ちが胸を焦がして、身体全部が熱く燃え上がりそうだった。
「湊……っ、私、湊に出会えて世界一幸せだったよ!」
思わず、叫ぶ。
だって湊の身体が、どんどん透けていっているのが見えるから……。
湊が消えてしまう前に、ありったけの思いを口にする。
「馬鹿みたいに明るい湊に何度も励まされたし、私の持ってないものをたくさん持ってる湊がまぶしくて、私の神様みたいな存在だったよ! 湊がいなかったらきっとつまらない人間のままだったよ、私。湊の隣にいられて最高に幸せだった! 愛してくれて……本当にありがとう」
私が橋の真ん中で大声で愛を叫んでいることを意外に思ったんだろう。湊の瞳がみるみるうちに大きく見開かれていく。
やがて、彼の身体がもうほとんど見えないぐらいに消えかかったとき、彼が最後に口を開いた。
「幸せになれよ、このやろー」
精一杯の愛が詰まったそのセリフに、思わず頬が綻ぶ。
もう涙は流さない。
彼の記憶の中の私が、最後に涙を流しているなんてもったいないから。
ありったけの笑顔でこう返した。
「当たり前じゃん、ばか」
本当は「一緒に幸せになろう」って言いたかったはずなんだ。
それでも湊は自分の気持ちを押し殺して、私を前に進ませようとしてくれている。
その気持ちが胸を焦がして、身体全部が熱く燃え上がりそうだった。
「湊……っ、私、湊に出会えて世界一幸せだったよ!」
思わず、叫ぶ。
だって湊の身体が、どんどん透けていっているのが見えるから……。
湊が消えてしまう前に、ありったけの思いを口にする。
「馬鹿みたいに明るい湊に何度も励まされたし、私の持ってないものをたくさん持ってる湊がまぶしくて、私の神様みたいな存在だったよ! 湊がいなかったらきっとつまらない人間のままだったよ、私。湊の隣にいられて最高に幸せだった! 愛してくれて……本当にありがとう」
私が橋の真ん中で大声で愛を叫んでいることを意外に思ったんだろう。湊の瞳がみるみるうちに大きく見開かれていく。
やがて、彼の身体がもうほとんど見えないぐらいに消えかかったとき、彼が最後に口を開いた。
「幸せになれよ、このやろー」
精一杯の愛が詰まったそのセリフに、思わず頬が綻ぶ。
もう涙は流さない。
彼の記憶の中の私が、最後に涙を流しているなんてもったいないから。
ありったけの笑顔でこう返した。
「当たり前じゃん、ばか」