そんな夢ならもう一度会いたい
ここにいるのは私と知らない男の子だけ、門倉先生の姿がなくて。


門倉先生は大丈夫だったの!?

私を助けようとして手を伸ばした門倉先生は…っ


「門倉…?は、オレだけど先生ってなんだ?」

「…え?」

いやいやいや、何言ってんの?

先生は先生じゃん、私の副担の先生…


パチッと目を合わせる。


どこか似ていた、瞳の形、鼻、目、輪郭に唇、すごく見え覚えのある…

だけど、なんか若いし。
門倉先生こんなんじゃなかったし、てゆーか制服着てるし…

あれ?見慣れないものが制服の胸ポケットに…

私の制服にはない、これはきっと名札、名前はー…


「門倉実咲!?」


門倉先生とおんなじ名前―…!?


「なんでオレの名前…あ、名札か」

じゃない、これはもしかして…

「お前は名札ないんだな、付けねぇと怒られるぞ」

パンパンと払いながら立ち上がる、地面に落ちたリュックを拾って背負い直した。

そーいえばいつからかプライバシー保護で制服に名札を付けなくなったんだとか、そんな話聞いたことがあるような…

ハッとしてスカートのポケットに入っていたスマホを取り出した。


そんなわけない、そんなわけない!

これは何かのあれ、ちょっとしたあれ…


今は令和7年7月っ


「平成27ね…平成!?」

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