そんな夢ならもう一度会いたい

4.)

「1人暮らしだから誰も困んねぇから」

え、私は困るよ?門倉先生(17)は困らないの??

見ず知らずの女子高生が急に1人暮らしの家に行くんだよ…?


でも、今の私には行くとこがない。
しかも日が暮れてすっかり真っ暗だった。


野宿より門倉先生(17)の1人暮らしの家のがマシかと思って、たぶん。
だって門倉先生だし、将来先生目指してる人だもん何もないよ何もしないよ…たぶん。

ノコノコとついて来ちゃった、最悪どっかで逃げればいいよね?何かありそうだったら…

「ここ、うち」

2階建ての小さなアパートの1階の隅っこの部屋、そこまで古くなさそうだし学校からもわりと近くて怪しそうな感じはしないかな。

本当に普通に門倉先生(17)が暮らしてる家っぽい…

ガチャッとドアを開けて、門倉先生(17)が入って行く後ろをゆっくーり入って行った。

よく目を凝らして部屋の中を物色するようにー…

「!」

ない!何にもない!!!

ワンルームしかない部屋は真っ白な床のせいで閉塞感が漂って、床にはフロアマットなんてものはなくテーブルも何もない…


え、私殺される?
この部屋で殺されるの??


「あ、私やっぱりっ」

ぎゅるうるるるぅ~

「…。」

「……。」

最悪、私のお腹空気読んで。この状況でお腹空かせないで。

「ごめんなさい…」

「うち何もねぇーぞ」

アイス食べたのに!
でもちょっとだったから余計にお腹空いたの!

もうそんな時間だったからっ

「行くぞ」

もう一度、門倉先生(17)が外に出た。

「え、どこに…ですか?」

「コンビニ」

コンビニ…?

「歩いてすぐそこだ、なんか適当に買えよ」
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