そんな夢ならもう一度会いたい
「帰り道がわからなくて…」

今目の前にいる門倉先生(17)しか手立てがなくて。

「どこに?」

振り返った、シュッとした瞳がこっちを向いた。

「え、どこに…ってどこだろう?」

「は?」

あ、違う!これは違う!!

なんか変な奴になってない!?
帰り道わからないくせいに帰る場所もわからないって!

でもそーなんだもん、帰り方はわかんないし帰る場所は未来ってその方が変なやつじゃん!!

「いや、あ…あのっ」

「お前、家に帰りたくねぇの?」

「え…?」

門倉先生(17)の瞳の色は真っ黒だ。何が見えてるのかなってくらい真っ黒で、全く気力を感じない。

「う、うん…そんな感じでちょっと困ってるって言うか…あ、でもこんなこと言われても困りますよね!?それこそ勝手にしろよ的な…っ」

「行くとこないならうち来れば?」


え?


今なんとおっしゃいました??
うち来れば、とな…?


「1人暮らしだから」


いや、待って、だからっ!!!?

だから何なのーーー!!!?
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