(マンガシナリオ) 白雪姫は喋らないー口下手な姫くんは怖そうだけど優しいですー
5話 猟師が守るお姫様
「あ、え、と……オ、オレ……?」
キョロキョロと辺りを見渡した後に自分を指差して確認しながら固まる白雪くん。
「そ、そう、白雪くん……」
私もなんとかそれを肯定するけど
「……」
「……」
私と白雪くんの間に気まずい雰囲気が流れる。
どうしよう、勢いで言うことじゃなかったかもしれない。
「ご、ごめんなさい、急すぎたよねっ……!」
気まずい沈黙を私はなんとか破ってとりあえず謝り倒す。
「いや、えっ……と……」
「あー、やっと見つけたわ、ちょっと目ぇ離した隙にどこ行くんや姫ー」
白雪くんがおろおろと次の言葉を探していると急に場に似合わない明るい関西弁が響きわたる。
「良二くん…………!」
金髪で、明らか陽キャなその人が視界に入った途端に白雪くんは隠れるようにその、良二と呼ばれた人の後ろに回るけど、身体が白雪くんのほうが大きいせいで全然隠れられていない。
「おっと、マジでどないしてん姫、こんななるん珍し……い……」
「……ど、どうも」
白雪くんから顔を上げたその人、おそらく良二さんとかちりと目線がかち合う。
「どーも、どちらさんか知らんけど随分姫のこと可愛がってもろたみたいで」
「えっと……」
瞬間、良二さんの纏う空気が刺々しくなり、だるそうに丸めていた背中がすっと伸びる。
あ、こう見ると良二さんもそれなりに体格いいんだ。
そんな今絶対に関係ないことを考えていれば
「もしかしてやけど、自分、姫のこと虐めとった?」
「へ……?」
良二さんの口から思いもよらない言葉が漏れ出る。
「いや、こいつこんななりやけど胆が小さいもんでな、名前のこともあって昔はよく虐められたもんや、その度に俺が助けとったけど……で、どうなん?」
「……ち、違う」
違います、そう、私が言うより前に良二さんの後ろに隠れていた白雪くんがそれを否定する。
「姫?」
「良二くん……ち、違うよ……ただ、話してただけ……」
白雪くんは言いながら、私と良二さんの間に割りいるように入る。
「そうなん? なんや姫が誰かと話しとるなんて珍しいなー、すまんなお嬢さん、こっちの早とちりやったわ、ってか姫、目ぇ離した隙に消えるのやめーや、おまえ方向音痴なんやから」
良二さんは暫く白雪くんを見た後にニカッと笑顔を浮かべてこちらに謝ってくる。
そしてすぐにそのままの調子で白雪くんにお説教を始める。
なるほど、方向音痴だからあんなことになっていたのか。
「ご、ごめん……あ、と……朱谷さんも、ごめん……写真撮られるのは、ちょっと……恥ずかしい、かも……」
白雪くんは良二さんに謝ると今度はこちらを向いて謝ってくる。
勿論視線はかち合わないけど。
「そ、そうだよね! いきなり変なこと言ってごめんね!」
いきなり写真の被写体になれって言われて良いよーってなるほうがきっと珍しい。
それもそこまで親しい間柄でもないのに。
手に持っているカメラに視線を落としながら自分の失言を反省しているとふと、視線を感じて顔をあげる。
良二さんが見ているのかと思ったのに、こちらを見据えていたのは白雪くんで。
「だけどっ……暇なとき、一緒に……しゃ、写真とら、ない……?」
白雪くんは決心したようになんとかそう、言葉にする。
その時初めて、白雪くんとしっかりと視線がかち合ったような気がする
キョロキョロと辺りを見渡した後に自分を指差して確認しながら固まる白雪くん。
「そ、そう、白雪くん……」
私もなんとかそれを肯定するけど
「……」
「……」
私と白雪くんの間に気まずい雰囲気が流れる。
どうしよう、勢いで言うことじゃなかったかもしれない。
「ご、ごめんなさい、急すぎたよねっ……!」
気まずい沈黙を私はなんとか破ってとりあえず謝り倒す。
「いや、えっ……と……」
「あー、やっと見つけたわ、ちょっと目ぇ離した隙にどこ行くんや姫ー」
白雪くんがおろおろと次の言葉を探していると急に場に似合わない明るい関西弁が響きわたる。
「良二くん…………!」
金髪で、明らか陽キャなその人が視界に入った途端に白雪くんは隠れるようにその、良二と呼ばれた人の後ろに回るけど、身体が白雪くんのほうが大きいせいで全然隠れられていない。
「おっと、マジでどないしてん姫、こんななるん珍し……い……」
「……ど、どうも」
白雪くんから顔を上げたその人、おそらく良二さんとかちりと目線がかち合う。
「どーも、どちらさんか知らんけど随分姫のこと可愛がってもろたみたいで」
「えっと……」
瞬間、良二さんの纏う空気が刺々しくなり、だるそうに丸めていた背中がすっと伸びる。
あ、こう見ると良二さんもそれなりに体格いいんだ。
そんな今絶対に関係ないことを考えていれば
「もしかしてやけど、自分、姫のこと虐めとった?」
「へ……?」
良二さんの口から思いもよらない言葉が漏れ出る。
「いや、こいつこんななりやけど胆が小さいもんでな、名前のこともあって昔はよく虐められたもんや、その度に俺が助けとったけど……で、どうなん?」
「……ち、違う」
違います、そう、私が言うより前に良二さんの後ろに隠れていた白雪くんがそれを否定する。
「姫?」
「良二くん……ち、違うよ……ただ、話してただけ……」
白雪くんは言いながら、私と良二さんの間に割りいるように入る。
「そうなん? なんや姫が誰かと話しとるなんて珍しいなー、すまんなお嬢さん、こっちの早とちりやったわ、ってか姫、目ぇ離した隙に消えるのやめーや、おまえ方向音痴なんやから」
良二さんは暫く白雪くんを見た後にニカッと笑顔を浮かべてこちらに謝ってくる。
そしてすぐにそのままの調子で白雪くんにお説教を始める。
なるほど、方向音痴だからあんなことになっていたのか。
「ご、ごめん……あ、と……朱谷さんも、ごめん……写真撮られるのは、ちょっと……恥ずかしい、かも……」
白雪くんは良二さんに謝ると今度はこちらを向いて謝ってくる。
勿論視線はかち合わないけど。
「そ、そうだよね! いきなり変なこと言ってごめんね!」
いきなり写真の被写体になれって言われて良いよーってなるほうがきっと珍しい。
それもそこまで親しい間柄でもないのに。
手に持っているカメラに視線を落としながら自分の失言を反省しているとふと、視線を感じて顔をあげる。
良二さんが見ているのかと思ったのに、こちらを見据えていたのは白雪くんで。
「だけどっ……暇なとき、一緒に……しゃ、写真とら、ない……?」
白雪くんは決心したようになんとかそう、言葉にする。
その時初めて、白雪くんとしっかりと視線がかち合ったような気がする