(マンガシナリオ) 白雪姫は喋らないー口下手な姫くんは怖そうだけど優しいですー
6話 気になるお姫様
白雪くんから一緒に写真を撮らないかと誘われてから、既に何回目かの撮影会が行われていた。
どうせ撮れない、そう思っていたのに白雪くんと話しながら大学内を回るとたくさんの撮りたい、を見つけることが出来て、自分でも驚くぐらい容易く、シャッターを下ろすことが出来た。
「白雪くん、ここの花、この間は咲いてなかったけど今日は綺麗に咲いてるねー」
私はとある花壇の前に腰を下ろすとカメラを構えてシャッターを切る。
「…………うん」
白雪くんもとなりにしゃがんでレンズ越しにその花を眺めている。
一緒に写真を撮って回るようになってわかったことが何個かある。
ひとつは良二さんの言っていた通りめちゃくちゃ方向音痴なこと。
頬っておくと気付くと変なところに行こうとするからなかなか目が離せない。
そしてもうひとつは、噂で聞くような無愛想で怖い人ではないということ。
確かに口数は少ないから近寄りがたい雰囲気はあるけど、それはよく考えてから言葉を紡ぐからだし。
それによくよく見ていれば表情とか、行動によく感情が出ていて、それを見てれば彼が何を思っているのか知ることだってそんなに難しいことではなかった。
「朱谷さん……?」
物思いに耽っていれば既に立ち上がっていた白雪くんに不思議そうに名前を呼ばれる。
「あ、ううん、何でもないよ! 次は何を撮ろうか?」
私は慌てて立ち上がると次の被写体を探して周りを見渡す。
だけど白雪くんはカメラを持ったまま構えることはせずにふと、私のほうを向く。
「……あの、さ…………」
「どうしたの?」
「…………なんで、最近は展示会に、展示……しないの?」
「あ、えーっと、それは……」
白雪くんの質問に心臓が嫌な音を立てるから、つい、返答に詰まってしまう。
「えと、ご、ごめん……へ、変なこと、聞いた……かも……」
「いや、別にそうじゃないんだけど……最近は、あんまりサークルには顔だしてないから、それだけだよ」
人の感情の機微に敏い白雪くんはすぐに事情を組んで謝ってくるけど、これは私が勝手に拗らせているだけのこと、だから、私はそのままのことをそのまま伝える。
そう、最近はサークルには全く顔を出していない。
行きたいけど時間がないとかそういうことでもなく、ただ単に、行きたくない。
それだけのことだ。
「……そっ……か……オレは……」
「……どうしたの?」
何か言おうとして黙り込んでしまった白雪くんに私は次の言葉を促すけど
「…………なんでも、ないよ、ごめん」
白雪くんは私のほうを暫く見た後に少し悲しそうに笑って一言、ただ謝っただけだった。
その表情を見て私は、このままではダメなんだと、ただ淡々と悟った
どうせ撮れない、そう思っていたのに白雪くんと話しながら大学内を回るとたくさんの撮りたい、を見つけることが出来て、自分でも驚くぐらい容易く、シャッターを下ろすことが出来た。
「白雪くん、ここの花、この間は咲いてなかったけど今日は綺麗に咲いてるねー」
私はとある花壇の前に腰を下ろすとカメラを構えてシャッターを切る。
「…………うん」
白雪くんもとなりにしゃがんでレンズ越しにその花を眺めている。
一緒に写真を撮って回るようになってわかったことが何個かある。
ひとつは良二さんの言っていた通りめちゃくちゃ方向音痴なこと。
頬っておくと気付くと変なところに行こうとするからなかなか目が離せない。
そしてもうひとつは、噂で聞くような無愛想で怖い人ではないということ。
確かに口数は少ないから近寄りがたい雰囲気はあるけど、それはよく考えてから言葉を紡ぐからだし。
それによくよく見ていれば表情とか、行動によく感情が出ていて、それを見てれば彼が何を思っているのか知ることだってそんなに難しいことではなかった。
「朱谷さん……?」
物思いに耽っていれば既に立ち上がっていた白雪くんに不思議そうに名前を呼ばれる。
「あ、ううん、何でもないよ! 次は何を撮ろうか?」
私は慌てて立ち上がると次の被写体を探して周りを見渡す。
だけど白雪くんはカメラを持ったまま構えることはせずにふと、私のほうを向く。
「……あの、さ…………」
「どうしたの?」
「…………なんで、最近は展示会に、展示……しないの?」
「あ、えーっと、それは……」
白雪くんの質問に心臓が嫌な音を立てるから、つい、返答に詰まってしまう。
「えと、ご、ごめん……へ、変なこと、聞いた……かも……」
「いや、別にそうじゃないんだけど……最近は、あんまりサークルには顔だしてないから、それだけだよ」
人の感情の機微に敏い白雪くんはすぐに事情を組んで謝ってくるけど、これは私が勝手に拗らせているだけのこと、だから、私はそのままのことをそのまま伝える。
そう、最近はサークルには全く顔を出していない。
行きたいけど時間がないとかそういうことでもなく、ただ単に、行きたくない。
それだけのことだ。
「……そっ……か……オレは……」
「……どうしたの?」
何か言おうとして黙り込んでしまった白雪くんに私は次の言葉を促すけど
「…………なんでも、ないよ、ごめん」
白雪くんは私のほうを暫く見た後に少し悲しそうに笑って一言、ただ謝っただけだった。
その表情を見て私は、このままではダメなんだと、ただ淡々と悟った