ハイスペ御曹司で年下幼馴染の山田一郎が誘ってくる送迎を断ったら、とんでもない目に遭った件
プロローグ ~幼い日の出来事~
「やめろ! マリちゃんをはなせっ! おまえがねらってるのはボクだろ!?」
幼い一郎は震える声でそう叫ぶと、私を連れ去ろうとする男の脚に必死で飛びついた。
「このやろう! マリちゃんを、マリちゃんをはなせーっ!!」
あれは22年前、一郎がまだ5歳、私が小学校2年生の冬のこと。
超有名企業の御曹司の一郎と、隣にたまたま住んでた一般庶民の私。身分違いの私たちだったけど、姉弟のように仲が良くて、毎日一緒に遊んでた。
そんなとき、この誘拐未遂事件に巻き込まれたのだった。
男の力は恐ろしく強く、抱きかかえられた私は微塵も動けなかった。あきらめかけたとき、一郎ががぶりと男の脚に噛みついた。
「このクソガキ、ふざけるなあっ!」
男は私を放りだし、一郎をつまみ上げた。
私は一郎を守ろうと手を伸ばしたけど、逆に男に蹴りとばされた。それを見た一郎はみるみる血相変えると、手足をめちゃくちゃに振り回して暴れて……
結局、騒ぎに気づいた山田家の警護の者が駆けつけて男は取り押さえられ、一郎は泣きじゃくりながら私に謝った。
「ごめんね、ボクのせいで……。ボク大きくなったら、ぜったいにマリちゃんをまもってみせるから……!」
幼い一郎は震える声でそう叫ぶと、私を連れ去ろうとする男の脚に必死で飛びついた。
「このやろう! マリちゃんを、マリちゃんをはなせーっ!!」
あれは22年前、一郎がまだ5歳、私が小学校2年生の冬のこと。
超有名企業の御曹司の一郎と、隣にたまたま住んでた一般庶民の私。身分違いの私たちだったけど、姉弟のように仲が良くて、毎日一緒に遊んでた。
そんなとき、この誘拐未遂事件に巻き込まれたのだった。
男の力は恐ろしく強く、抱きかかえられた私は微塵も動けなかった。あきらめかけたとき、一郎ががぶりと男の脚に噛みついた。
「このクソガキ、ふざけるなあっ!」
男は私を放りだし、一郎をつまみ上げた。
私は一郎を守ろうと手を伸ばしたけど、逆に男に蹴りとばされた。それを見た一郎はみるみる血相変えると、手足をめちゃくちゃに振り回して暴れて……
結局、騒ぎに気づいた山田家の警護の者が駆けつけて男は取り押さえられ、一郎は泣きじゃくりながら私に謝った。
「ごめんね、ボクのせいで……。ボク大きくなったら、ぜったいにマリちゃんをまもってみせるから……!」
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