甘くて危険なキミが好き
夢愛は阿修羅の幹部である、藤谷 由來 (Fujiya Yura) のことが好きだったらしい。
わたしは阿修羅の総長、東堂 航也 (Todo Kouya) と当時付き合っていたので協力してほしいと頼まれていた。
夢愛は人一倍承認欲求が高く、性格もあまりいい方ではなかった。
それでも、今までわたしにその悪意を向けられたことはなかったのであまり悪い子な気はせずそばにいた。
夢愛と由來は順調かと思ったそのときだったーーー。
わたしに一通のLINEが届いた。
【話がある。】
航也からだ。
ただ一文だった。その一文でわたしの人生は狂った。
「航也!どうかした?」
わたしは急いで倉庫に向かった。
いつもなら、幹部やだれかしら迎えに来てくれるはずだったがだれも来ることはなく仕方なく走って向かった。
でもそこにいたのは、ボロボロになった夢愛とそれを宥(なだ)める由來や幹部たちの姿だった。