契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~
ふたりきりになった部屋で、ひとまずソファに並んで座る。
私だけ帰ろうと思ったけれど、朝食を頼んでいて専任コンシェルジュがついているのなら、所長にバレてしまう可能性がある。
そうなったら、すべてが水の泡だ。
「申し訳ない。まさかこんなことになるとは……」
「いえ……。私の方こそ、申し訳ありません。勝手なことを言ってしまって……」
私の言葉のせいで、もう取り返しがつかないことになった。
嘘に嘘を重ねた私たちは、侑李さんが事務所を辞める覚悟で誠心誠意謝るか、本当に籍を入れるしかないのかもしれない。
あの時は必死だったとはいえ、上手い言い訳ができなかったことを悔やんでしまう。
「いや、正直助かった」
ところが、後悔でいっぱいの私に、彼は小さな笑みを見せてくれた。
「ここに来る前は『大丈夫』なんて言ってたが、まさかあんな風に言われるほど疑われてるとは思わなかったから、答えにためらってしまったんだ」
侑李さんが、「俺が悪い」と深いため息をつく。
「だが、那湖をこれ以上巻き込むわけにはいかない。適当なところで婚約破棄したことにすればいいと思ってたが、さすがに籍を入れるわけにはいかないからな。ボスにはきちんと話して謝るよ」
「でも……そんなことをしたら、侑李さんの立場が……」
「まあ、事務所を辞めることになるだろうな。クビにされることはなくとも、信用は失くしてしまうから、そんな弁護士に仕事を任せたくないだろうし……。だが、すべて俺の自業自得だ。那湖のせいじゃないから気にしなくていい」
彼は微笑んだけれど、こうなった責任は私にもある。
私だけ帰ろうと思ったけれど、朝食を頼んでいて専任コンシェルジュがついているのなら、所長にバレてしまう可能性がある。
そうなったら、すべてが水の泡だ。
「申し訳ない。まさかこんなことになるとは……」
「いえ……。私の方こそ、申し訳ありません。勝手なことを言ってしまって……」
私の言葉のせいで、もう取り返しがつかないことになった。
嘘に嘘を重ねた私たちは、侑李さんが事務所を辞める覚悟で誠心誠意謝るか、本当に籍を入れるしかないのかもしれない。
あの時は必死だったとはいえ、上手い言い訳ができなかったことを悔やんでしまう。
「いや、正直助かった」
ところが、後悔でいっぱいの私に、彼は小さな笑みを見せてくれた。
「ここに来る前は『大丈夫』なんて言ってたが、まさかあんな風に言われるほど疑われてるとは思わなかったから、答えにためらってしまったんだ」
侑李さんが、「俺が悪い」と深いため息をつく。
「だが、那湖をこれ以上巻き込むわけにはいかない。適当なところで婚約破棄したことにすればいいと思ってたが、さすがに籍を入れるわけにはいかないからな。ボスにはきちんと話して謝るよ」
「でも……そんなことをしたら、侑李さんの立場が……」
「まあ、事務所を辞めることになるだろうな。クビにされることはなくとも、信用は失くしてしまうから、そんな弁護士に仕事を任せたくないだろうし……。だが、すべて俺の自業自得だ。那湖のせいじゃないから気にしなくていい」
彼は微笑んだけれど、こうなった責任は私にもある。