契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~
(どうしよう……)
心の中で呟いたけれど、この時すでに私の決意は固まりつつあって。だから、きっと形だけの思いだった。
所長が、侑李さんは女性嫌いだと言っていた。
ストーカー被害に遭う前からなら、もうどうしようもないことに違いなくて。そこで私がこんな提案をしたら、ますます女性を嫌になるかもしれない。
けれど、責任の一端がある以上、彼だけにすべてを背負ってほしくない。
少なくとも、私の心はもう動いているのだから……。たとえほんの少しでも侑李さんのためになるのなら、それでいいと思えた。
「籍を入れませんか?」
「えっ……? ……いや、さすがにそれは……」
目を丸くした彼が、すぐに首を横に振る。
「確かに、私は偽の婚約者のふりを頼まれただけですけど、今日は侑李さんの嘘に加担して……私自身も所長に嘘をつきました。だから、責任は私にもあります」
「そうだとしても、さすがにそれはダメだ。那湖の戸籍に傷がつく」
「構いません」
グルグルと回る思考を、必死に働かせる。
「私、侑李さんとなら……」
「那湖……」
「もちろん、侑李さんがいいのなら、ですけど……」
「俺だって、那湖となら構わない。だが、こんなこと簡単に決めていいわけがない。那湖にとっては不本意なこと——」
「そんなことありません。私は侑李さんが相手なら嬉しいくらいで……っ」
そこまで言って、頬がかあっと熱くなる。
まるで告白したみたいな雰囲気になってしまい、気まずい沈黙が訪れた。
心の中で呟いたけれど、この時すでに私の決意は固まりつつあって。だから、きっと形だけの思いだった。
所長が、侑李さんは女性嫌いだと言っていた。
ストーカー被害に遭う前からなら、もうどうしようもないことに違いなくて。そこで私がこんな提案をしたら、ますます女性を嫌になるかもしれない。
けれど、責任の一端がある以上、彼だけにすべてを背負ってほしくない。
少なくとも、私の心はもう動いているのだから……。たとえほんの少しでも侑李さんのためになるのなら、それでいいと思えた。
「籍を入れませんか?」
「えっ……? ……いや、さすがにそれは……」
目を丸くした彼が、すぐに首を横に振る。
「確かに、私は偽の婚約者のふりを頼まれただけですけど、今日は侑李さんの嘘に加担して……私自身も所長に嘘をつきました。だから、責任は私にもあります」
「そうだとしても、さすがにそれはダメだ。那湖の戸籍に傷がつく」
「構いません」
グルグルと回る思考を、必死に働かせる。
「私、侑李さんとなら……」
「那湖……」
「もちろん、侑李さんがいいのなら、ですけど……」
「俺だって、那湖となら構わない。だが、こんなこと簡単に決めていいわけがない。那湖にとっては不本意なこと——」
「そんなことありません。私は侑李さんが相手なら嬉しいくらいで……っ」
そこまで言って、頬がかあっと熱くなる。
まるで告白したみたいな雰囲気になってしまい、気まずい沈黙が訪れた。