契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~
「その点、那湖は学生時代にバイトをしてた時からうちの仕事を楽しんでやり甲斐も持ってたから、那湖次第でいつかこの話をしようと思ってたのよ」
驚き続ける私に反し、深雪はまったく普通にしている。
きっと、さっちゃんの気持ちを知っていたのだろう。
「ただ、一度きちんと社会に出た上で選択してほしかったし、那湖自身が自立して強くなってくれることが前提だった。だから、なにも悪くないのに抗議もせずに自分を犠牲にして仕事を辞めた那湖には、無理だと思ってたんだけどね」
花本パートナーサービスで働かないかと訊かれた時にも、さっちゃんは厳しく叱ってくれた。
もっともな言葉ばかりで、今となってはその意味がよくわかる。
「でも、那湖は変わったでしょ。今の那湖になら、うちを継いでほしいと思ってる。もちろん、那湖の気持ち次第だけどね」
穏やかに笑ったさっちゃんと、にこにこしている深雪を前に、胸の奥からじわじわと熱いものが込み上げてくる。
きっと、想像以上に大変で、険しい道だ。
私にはさっちゃんのような起業をする気概はないし、他人に厳しく注意をするのも苦手で、冷静に取捨選択できない時もある。
けれど、自分の中に芽生えた答えは、ひとつだけだった。
驚き続ける私に反し、深雪はまったく普通にしている。
きっと、さっちゃんの気持ちを知っていたのだろう。
「ただ、一度きちんと社会に出た上で選択してほしかったし、那湖自身が自立して強くなってくれることが前提だった。だから、なにも悪くないのに抗議もせずに自分を犠牲にして仕事を辞めた那湖には、無理だと思ってたんだけどね」
花本パートナーサービスで働かないかと訊かれた時にも、さっちゃんは厳しく叱ってくれた。
もっともな言葉ばかりで、今となってはその意味がよくわかる。
「でも、那湖は変わったでしょ。今の那湖になら、うちを継いでほしいと思ってる。もちろん、那湖の気持ち次第だけどね」
穏やかに笑ったさっちゃんと、にこにこしている深雪を前に、胸の奥からじわじわと熱いものが込み上げてくる。
きっと、想像以上に大変で、険しい道だ。
私にはさっちゃんのような起業をする気概はないし、他人に厳しく注意をするのも苦手で、冷静に取捨選択できない時もある。
けれど、自分の中に芽生えた答えは、ひとつだけだった。