契約外の初夜で、女嫌い弁護士は独占愛を解き放つ~ママになっても愛し尽くされています~
◆Side Yuri
辻山さんの承諾を得た日の週末。
仕事を終えた彼女が、家に来てくれた。
あの日、辻山さんを車で送ると、彼女は丁寧にお礼を口にしたあとで『報酬はいりませんから』と控えめに告げた。
戸惑いや遠慮が覗く顔を前にあまり強くは言えなかったが、互いに譲らずいったん保留となっている。
「今日はパーティー用のドレスを買いに行こう。好きなブランドやお気に入りの店は?」
「特には……。今までは結婚式に着ていくくらいだったので……」
訊けば、これまではネットで購入したりレンタルしたり、時には仲がいい従姉妹から借りていたのだという。
それならば……と、事前にリサーチしたラグジュアリーブランドに車で向かった。
「支払いはこちらで持つから、好きなものを選んでくれ」
「そんな……」
「必要経費だと思ってくれればいい」
きっぱりと言い切った俺に、辻山さんが困惑を浮かべている。
俺としては、本当に言葉通りのつもりしかない。
それに、俺の知る限り女性はブランド物や高価な食事を好み、付き合ってもいないのにねだってくる者もいる。
彼女だって年頃の女性なのだから、まったく興味がないということはないだろう。
仕事を終えた彼女が、家に来てくれた。
あの日、辻山さんを車で送ると、彼女は丁寧にお礼を口にしたあとで『報酬はいりませんから』と控えめに告げた。
戸惑いや遠慮が覗く顔を前にあまり強くは言えなかったが、互いに譲らずいったん保留となっている。
「今日はパーティー用のドレスを買いに行こう。好きなブランドやお気に入りの店は?」
「特には……。今までは結婚式に着ていくくらいだったので……」
訊けば、これまではネットで購入したりレンタルしたり、時には仲がいい従姉妹から借りていたのだという。
それならば……と、事前にリサーチしたラグジュアリーブランドに車で向かった。
「支払いはこちらで持つから、好きなものを選んでくれ」
「そんな……」
「必要経費だと思ってくれればいい」
きっぱりと言い切った俺に、辻山さんが困惑を浮かべている。
俺としては、本当に言葉通りのつもりしかない。
それに、俺の知る限り女性はブランド物や高価な食事を好み、付き合ってもいないのにねだってくる者もいる。
彼女だって年頃の女性なのだから、まったく興味がないということはないだろう。