旦那様に「君を愛する気はない」と言い放たれたので、「逃げるのですね?」と言い返したら甘い溺愛が始まりました。
ここで頬を赤らめることも、動揺を悟られることも許されない、と本能が告げている。

動揺を悟られれば一気に負けが近づいてしまう。

だから私はセルト様に握られている腕に力を込めた。

「勝負に情けは不要だと私も思っていますわ」

「レシール、逃げないのか?」

「まさか。逃げる選択肢なんてないですわ」

「では、このまま続けても良いと?」

何をするのか、なんて聞けるはずがなかった。
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