旦那様に「君を愛する気はない」と言い放たれたので、「逃げるのですね?」と言い返したら甘い溺愛が始まりました。
「そうやって顔を赤らめているレシールを見るのが好きなんだ」

「からかわないでくださいませ……!」

「からかっていない。君はもう少し自分の可愛さを自覚した方が良い」

「私が可愛いはずはないですわ。冗談も程々にして下さいませ」

私がピシャリを厳しくそう述べたのを聞いて、セルト様の瞳が少しだけ(かげ)った。

「誰かにそう言われたのか? 先ほども前から口付けをしておけば良かったと話していたが、想い人がいるのか?」

「想い人はいませんわ。ただ……」

「ただ?」





「私は気が強くて可愛くないでしょう?」





反応が怖くてすぐにセルト様の顔を見れなかったが、暫く静寂が走って私はゆっくりと顔を上げた。
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