旦那様に「君を愛する気はない」と言い放たれたので、「逃げるのですね?」と言い返したら甘い溺愛が始まりました。
あの日の言葉の意味は少し違っていたこと。





「あの日、君に『愛する気はない』と言ってしまったことを始めは後悔もしていなかった。どうせ私たちの間に愛はないのだから、このまま誤解されたままで構わない、と。実際私は君を愛するつもりはなかったのだから、多少の言い方の違いなどどうでも良いと思っていた」

「しかし出会った君はあまりに真っ直ぐで、気が強いのに可愛くて、私と頑張って向き合おうとしてくれる令嬢だった」

「そんなの好きにならない方が無理だろう? 愛おしいと思わない方が難しいだろう?」





セルト様が私の両手を掴んで、そっと下ろす。

もう私は抵抗する気になれなかった。

暴かれた私の真っ赤な顔を見てもセルト様は愛おしそうな視線を向けてくる。
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