私をフッた元上司と再会したら求愛された件
「なんこつのこと、覚えていてくれてありがとう」
「あ、いえ……なんこつちゃんもかわいかったですから」
冷静に考えたら、フッた女がいつまでも自分の飼っているハムスターを覚えているなんて気持ち悪いだろう。
自分の失言に焦ったものの、当の戸川さんに不快そうな素振りはなく、目を細めてニコニコしている。
「でも元気そうで良かった。園崎が転職したって聞いてから、ずっとどうしてるか気になってたんだ」
「……ごめんなさい、お世話になったのにご挨拶もしなくて」
「いや、普通に考えてそうだよな。俺の方こそごめん」
そのごめんは何に対して? 戸惑っていると、戸川さんの笑顔が不意に翳った。
「今更こんなことを言うのはどうなんだって思うかもしれないけどさ。二年前のこと、ずっと後悔してた」
「後悔、ですか?」
戸川さんは慎重に言葉を探るように視線をさまよわせた後、まっすぐ私を見つめた。
「俺も、園崎に惹かれてたから。情けないけど、園崎の告白を断った後でそれを自覚した」
「えっ……?」
信じられない言葉が聞こえてきた。戸川さんが、私のことを好きだった? 意味がわからない。私はあの日確かに振られたはずなのに。
「あの時は同じコミュニティで親しい人間を作らない主義だったから、園崎のことも意識しないようにしてた。だから付き合えなかった。……けど、あの後園崎が転職して、会えなくなってからすごい後悔したんだ」
戸川さんの瞳が私の胸を射貫く。呼応するように私の心臓が震えた。
「園崎のこと、ずっと忘れられなかった。本当に今更だけど、今日会えたからどうしても伝えたかったんだ」
居酒屋の喧騒が遠く聞こえる。多分、私の顔は真っ赤だ。
「あ、いえ……なんこつちゃんもかわいかったですから」
冷静に考えたら、フッた女がいつまでも自分の飼っているハムスターを覚えているなんて気持ち悪いだろう。
自分の失言に焦ったものの、当の戸川さんに不快そうな素振りはなく、目を細めてニコニコしている。
「でも元気そうで良かった。園崎が転職したって聞いてから、ずっとどうしてるか気になってたんだ」
「……ごめんなさい、お世話になったのにご挨拶もしなくて」
「いや、普通に考えてそうだよな。俺の方こそごめん」
そのごめんは何に対して? 戸惑っていると、戸川さんの笑顔が不意に翳った。
「今更こんなことを言うのはどうなんだって思うかもしれないけどさ。二年前のこと、ずっと後悔してた」
「後悔、ですか?」
戸川さんは慎重に言葉を探るように視線をさまよわせた後、まっすぐ私を見つめた。
「俺も、園崎に惹かれてたから。情けないけど、園崎の告白を断った後でそれを自覚した」
「えっ……?」
信じられない言葉が聞こえてきた。戸川さんが、私のことを好きだった? 意味がわからない。私はあの日確かに振られたはずなのに。
「あの時は同じコミュニティで親しい人間を作らない主義だったから、園崎のことも意識しないようにしてた。だから付き合えなかった。……けど、あの後園崎が転職して、会えなくなってからすごい後悔したんだ」
戸川さんの瞳が私の胸を射貫く。呼応するように私の心臓が震えた。
「園崎のこと、ずっと忘れられなかった。本当に今更だけど、今日会えたからどうしても伝えたかったんだ」
居酒屋の喧騒が遠く聞こえる。多分、私の顔は真っ赤だ。