婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「五年くらい前に付き合って、半年程度で別れた。お互い未練はまったくない」

「はあ……」

少なくとも安芸野さんは未練があるような言い方をしていたけれど……。

聖澤さんはそれに気づいているのかいないのか。

とはいえ、私からあえて触れる内容でもない。

「……でも、納得です。聖澤さんが恋人に選ぶなら、安芸野さんみたいな人なんだなって」

逆にいえば、安芸野さんみたいなスーパーウーマンじゃなければ聖澤さんのパートナーは務まらないってことだ。

私なんか絶対無理じゃん……と立候補もしていない内から負けた気になって打ちひしがれる。

「いや、別れてるから」

「それは……そうなのかもしれませんが」

「恋愛というより、尊敬だったのかもしれない。その頃の俺はまだまだ未熟だったから、優秀だった彼女に憧れていたんだ」

ぽつりと漏らした彼のどこか寂しげな表情を見て、なんともいえない気持ちで胸がいっぱいになった。

未練とまではいかないものの、その出来事は今も聖澤さんの心になんらかの闇を落としているのだとわかる。

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