婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
自分以外の男に彼女を触れさせたくない、そんな欲求に駆られたのは間違いなかった。

もしもキスをしていたら、きっと受け入れてもらえたのだろう。彼女はそんな表情をしていた。

想いを打ち明け、欲しいとだだをこねれば独占できる。けれど――。

……かわいいからとか、気になるからとか、そんなふわふわした気持ちで付き合うべきじゃない。

彼女が求めているのは一時的な恋人ではなく、生涯添い遂げるパートナーなのだから。もう子どもの頃のように〝ただ好きだからそばにいる〟なんて単純な理由で恋愛を楽しむ歳ではない。

そもそも俺は、結婚がしたいのだろうか。

妻が欲しいか、子どもが欲しいか、温かい家庭を作りたいか、そう自身に問いかけても明確な回答は出せなかった。



「結婚、考えてくれない? 私にはもう時間がないの」

そう切り出されたのは、交際を初めて半年が経った頃だった。

出会いは入社して三カ月後。配属先の営業第一課で、彼女は新人の教育係を任されていた。

五つ年上の彼女は、二十代後半にしてすでにマネージャー候補で、その豪快な立ち居振る舞いと圧倒的な仕事の腕から女傑とまで呼ばれていた。

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