婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
俺である必要性も感じていない。〝あなたと結婚したい〟そう言わせるだけの価値が俺にはなかったのだ。

「三カ月引き延ばしたところで変わらない。結婚は考えられない」

「……なら、私と別れて」

遠く届かない彼女への憧れから生まれた恋は、憧れのままで終わりを迎えた。



あの出来事以来、恋愛をしていない。女性と親密になるのを避けてきたというべきか。

生半可な気持ちで付き合うのは、お互いに時間の無駄だし相手にも失礼だ。

もともと愛想のいい人間ではなかったが、女性に期待を持たせないためにいっそう物言いがきつくなった。

それでも無理に距離を詰めてこようとする女性は少なからずいて、「あんたに興味はない」とあえて冷たく突き放すことで相手の執着を断ち切ってきた。

そんな中、偶然ペアを組むことになった桃代さんは、俺に仕事以上の付き合いを求めてこないから接しやすかった。

向こうは婚活に必死で、こちらを異性として見ていない。割り切り方がいっそ清々しい。

――って思っていたはずだろ。

いつの間にかそんな彼女に絆されかけている自分を戒める。

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