婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「あんたがほいほい女性に手を出そうとするから、同僚のよしみで守ってやっただけですよ」

「桃代さんはおもしろいしかわいいよね。今までになかったタイプの女性だなあ」

「彼女、婚活してるそうですよ」

「あー……結婚とかせっつかれるのは困る。家庭とか面倒くさいし」

とことん責任から逃げ出したい人なんだなと呆れかえる。

「まあ、煽ったからには責任持って桃代さんにアドバイスしてあげてね」

「はいはい、わかりましたよ」

あきらめたように返事をして会議室を出る。

どうして俺は売上にも評価にも繋がらない面倒事を押し付けられているんだ。

それもこれも全部、桃代さんのせいだ。夢ばっかり追いかけて綺麗ごとを実践しようとするから。

思わず口もとに笑みが浮かぶ。合理性の欠片もないこの状況をどこか楽しんでいる自分がいる。心のどこかで〝彼女がそんな人でよかった〟と安心していた。

素直で真っ直ぐで情に厚い彼女だからこそ、俺は好意を持ったのだろう。らしくもないお節介を焼く気になっているのだ。

……そういう女性がパートナーなら、この先の人生をともに過ごす覚悟ができたりするのか?

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