婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「女将さん、ここは割烹旅館です。懐石を楽しみにしてくるお客様も多い。そんな方々に、いくら値段の高い食材を使ったとはいえ期待のものとは違うお料理を出されたら、気を悪くするお客様もいるでしょう」

女将さんはハッとしたような顔で口もとに手を置いた。高価な食材やボリュームのある料理より、板長が考えた趣ある懐石に価値があるのだと理解してくれたようだ。

「これを見ていただけませんか?」

私はSNSで炎上している投稿を女将さんにお見せする。傷つけるようなやり方をするのは心苦しいけれど、責任者として知っておかなければならない事実だ。

「まあ……!」

もともと女将さんはネットには疎いと言っていた。こんな投稿がされるだなんて思っても見なかったのだろう。

「くつろぎのサイトの方にも、複数の酷評が上がっているんです。予約数が減っているのは、そのせいでしょう」

「こんなことって、あるんですね……。たった二日間の出来事が、常日頃から詐欺を働いているかのように扱われてしまうなんて」

「華村にとってはたった二日でも、お客様にとっては年に数回しかない貴重なお休みだったかもしれませんから」

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