婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
女将さんが息を呑む。目がみるみる内に赤く染まっていき、涙が滲んだ。

「私ったら、お客様になんて失礼なことを……」

女将さんが胸もとから取り出したハンカチで目もとを拭う。私は「大事なのは誠意ある謝罪と対応です」と力強く言って拳を握った。

「まずはお客様に謝罪をしましょう」

「わかりました。そのとき宿泊されていたお客様に連絡を取ってみます」

「私もお手伝いします」

宿泊代の返金は仕方がないとして、状況が悪化すれば損害賠償を請求させるかもしれない。なるべく話が大きくならないように私が間に入って、誠意がきちんと伝わるように取り持たなければ。

今後やるべきことが明確化し女将さんも落ち着いてきたのか、冷静な表情になった。聖澤さんが「謝罪のあとの話にはなりますが」と切り出す。

「今後、同じようなことがないように、対策についても考えておく必要があります。ちなみに、これまでも板長と脇板でシフトを回していたんですよね? 予定休と体調不良などが重なって料理が提供できない、なんてケースはなかったんですか?」

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