婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「出来る限りのことはさせていただきますので、よろしくお願いいたします」

「信用回復に向けて、一丸となって頑張りましょう」

女将さんと前向きな約束を交わし、私たちは宿を出て駐車場に向かった。

二月下旬の曇り空、以前ふたりで営業に来たときよりもさらに風が冷たく気温も低い。駐車場までのわずかな距離で凍えてしまいそうだ。

ここまで営業に来るとは思わず、昨日は比較的軽装で出社してしまった。社内の温度に合わせたニットは薄く、コートを着ているとはいえ全然防寒になっていない。

身を縮こませて歩いていると。不意に隣を歩く聖澤さんがマフラーを解いた。

「さすがに今日は防寒インナーも着ていないんだろ?」

そう言って私の首に自身のチェック柄のマフラーを巻いてくれる。

「でも、これじゃあ聖澤さんが冷えて――」

「多少は平気。あんたよりは筋肉量多いし」

そう言ってコートの襟を立ち上げ顎を埋める。その仕草から寒さを我慢しているのは伝わってくる。

……マフラー、貸してくれるんだ。

聖澤さんのことをまだよく知らなかった頃は、自分を犠牲にして他人にマフラーを貸すような人だとは思わなかった。

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