婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
そう朗らかに声をあげたのは美作マネージャー。コートを着てビジネスバッグを持っている姿を見るに、外出先から帰社したところのようだ。

「こんな時間にわざわざお戻りになったんですね。忘れ物です?」

「急遽接待になってね。お客様から資料もいただいちゃったから、セキュリティ的に持ち帰るわけにもいかなくて」

そう言ってデスクに戻り、ビジネスバッグの中から封筒をいくつか取り出し、鍵つきの袖机に保管する。

バッグをデスクに置いたままふらりとこちらに赴き、隣の席の椅子を引っ張ってくると、背もたれに肘を置いて逆向きに座った。

「毎日遅くまで頑張ってるみたいだけど大丈夫? もっと聖澤くんをこき使ってくれていいのに」

「充分よくしてもらってますよ。文書の確認やアドバイスもしてくれますし。事情を聴き取りに華村へ行ったときもついてきてくれました」

「それね。あとから聞いたんだけど、お泊まりしてきたんでしょ? 羨ましいなあ」

「お料理はおいしかったですね。でも観光もしてませんし、羨むようなことはなにもありませんでしたよ」

東京に戻ってきて社用車を置いたあとは、ここで報告書の作成に励んでいた。

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