婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「このクオリティなら篠原様も納得してくださいますね」

「そうだな」

聖澤さんの素直な肯定を聞いて自信が湧いてくる。

大丈夫、きっとうまくいくはずだ、そう自分に言い聞かせているうちにどんどん食欲が湧いてきた。

懐石はかなりのボリュームだったにもかかわらず完食。

聖澤さんには『その小さな体のどこにあの量が収まっているんだろうな』と心底不思議そうに言われてしまった。確かに胃袋が二倍くらいに膨れ上がった気がする。

あとで喉が乾きそうだ。お風呂上がりに飲めるようにとジュースを買いに行くと、途中の廊下で篠原様らしきお客様のうしろ姿を見つけた。

……どこへ行くのだろう?

客室とは逆方向に歩いていく彼女。追いかけていくと散歩に出ようとしているのか、宿の玄関を出て中庭の方へ歩いていった。

三月中旬、寒さはかなり和らいでいる。スーツのジャケットを着ていた私は、若干肌寒さを覚えながらも、少しくらいなら外に出ても平気だろうと判断し中庭に出た。

「こんばんは、篠原様」

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